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『1ヶ月・・・』


例え全国に行けたとしても、万全の状態で試合に出ることはできない

最悪、大会にすら出させてもらえないかもしれない

その事実が、僕の中学での青春(バレー)はここで終わりだと告げていた


「でも、しっかりと治療して予防していけば、またバレーができるようになるから」

『・・・そうですか』


治療をすれば、これまで通りバレーが続けられる


『あの・・・病院、試合見てからでもいいですか?』

「Aッ!」

『今から行っても、後から行っても変わりませんよね?なら、試合を見てからでも__』

「・・・ダメだ!」

『父さん・・・』


心配するコーチと母が僕の態度に慌てていると

父がピシャリと言った


「お前は今すぐ病院に行きなさい。これからもバレーを続けるなら、病院へ行ってちゃんと診断してもらいなさい!」


『・・・僕にとっては、中学最後の大切な試合なんだ』


「「「・・・」」」


僕の言葉にその場にいる大人たちが沈黙する


『お願いします・・・』


弱々しく頭を下げた僕を見て、医療スタッフがニコリと笑い口を開いた


「外から見るなら構いませんよ」


その様子を見て父は渋々承諾し、コーチには先に戻ってもらった


「見るだけだ。終わったら、すぐに病院に行くんだぞ・・・」

『ありがとう・・・』



僕は父に支えてもらいながら会場の入り口まで向かう

開いている扉から顔を覗かせる

そこでは、飛雄も僕も居ない試合が行われていた

僕たち二人は中学2年からずっと試合に出続けていたから、その光景に少し違和感を感じる



なのに、戦っているチームのみんなは

どこか解放されたような顔をしていた


僕が口を挟まなければ、飛雄はあんな事言わなかったかも
僕が飛雄と自主練しなければ、飛雄はあんな事思わなかったかも
そしたらトスを打たないなんて事起きなかったかも

自主練だってリベロになったのだって
天才である飛雄の隣に立っていたかったからだった



僕がバレーをしていなければ

飛雄が天才じゃなかったら




飛雄は僕を否定した

チームのみんなは飛雄を拒絶した

僕が繋いだボールを誰も繋げようとしなかった




僕は、いつまで飛雄(天才)のそばで
こんな思いをし続けなければいけないんだろう


飛雄が独裁を続ける限り
この先も、ずっとこんな思いをし続けなくちゃいけないのか


試合終了のホイッスルが鳴る

セットカウント 0ー2

勝者 光仙学園



『__僕、バレーやめる』

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ブタ(プロフ) - 金成さん» コメントありがとうございます!そう言っていただけて嬉しいです!イラスト検討してみます! (4月2日 12時) (レス) id: 2e5896a6df (このIDを非表示/違反報告)
金成(プロフ) - コメント失礼します。…全然無理にとは言いませんがよければイラスト見せていただけないでしょうか…。ほんと我儘だとは思うんですけど自分も描いてみたく…検討していただけないでしょうか。作品、すごく面白くていつもにこにこで読んでいます。更新頑張ってください。 (4月2日 0時) (レス) id: 84b21786fe (このIDを非表示/違反報告)
ブタ(プロフ) - 空さん» わぁ!!コメントありがとうございます!頑張ります!! (3月29日 17時) (レス) id: cb9064ad86 (このIDを非表示/違反報告)
- とてもいい作品です!更新がんばってください!応援しています! (3月29日 14時) (レス) @page6 id: 7db07df1a0 (このIDを非表示/違反報告)
ブタ(プロフ) - コメント返し、下手くそですみません(´・ω・`) (3月27日 21時) (レス) id: ab5ddee3e3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブタ | 作成日時:2024年3月22日 23時

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