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『……ジュナ、ごめん』








だけどAは、笑ってくれなかった。




『ジュニにも先に言っておくね。私、契約更新はやめようと思う』




ガツン、と頭を石で殴られたような衝撃。

ああ、夢じゃない。
これも現実なのか。




『多分私はもう、前みたいにパフォーマンスできない。
……音楽がね、全然聴こえないの。だけど音量を上げると急にライブのスピーカーみたいにバリバリ音が鳴って、うるさくて聴いてられなくて……もう、音楽を聴くのが辛いの。歌っても音程がズレるし……みんなの声も聞こえにくくなってる。このままじゃもう、私はステージに立てない。この世界にいられない』



『みんなの足を引っ張りたくない。私のせいでパフォーマンスのレベルを下げたくない。カラット達をがっかりさせたくないの』




衝撃というのはあまりにも度を超えると、かえって冷静になれるものなのかな。


ああ、なんてAらしい理由なんだろうって。

この子はいつだって、自分よりも俺たちとカラットのことを考えているから。

この子の原動力は、いつだってメンバーとカラットだから。




『でも私、ジュニと離れるつもりはないよ。あなたと離れたくない。何年でもジュニのことを待つつもりだから』


『自分勝手でごめん。だけどお願い。わかって、ジュナ』




静かな、だけど酷く悲しげな瞳で縋ってくるA。

その瞳を見て、恐らくこれはAがずっと前から苦しみながら、何度も考えて出した結論なんだと気づく。

それが、ちょっとやそっとではもう動かないほど、固い決意なのだと。



……だからこそ、だろうか。



" 行かないで "



息が詰まって、その一言が言葉にならなかった。

何も、言えなかった。



……自分が涙を流していることにすら気づけなくて。

Aの白い手が俺の目元を拭ってくれたことで、ようやくそれに気づく。




『……ここ、寒いから風邪引くよ。部屋に戻ろう』




静かな声。

ふっと顔を逸らし、俺の手をそっと引いて部屋へと入っていくA。



手は、こうしてちゃんと繋がっているのに。

どこかに確実に、亀裂が入っていた。




今俺にわかるのは、たったひとつだけ。

ここでAを止められなかったことを、一生後悔するだろうということだけだ。





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来栖(プロフ) - セナさん» セナさん、ありがとうございます。必ずハッピーエンドにします!続きはもうしばらくお待ちください🙇‍♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇‍♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 景夜さん» 景夜さん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇‍♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - 初コメ失礼します、、、!一難去ってまた一難😭😭パルちゃんとジュンくん、セブチのみんなが幸せになりますように……!更新応援しております🥹🥹 (2022年10月22日 9時) (レス) @page47 id: b2769f16fb (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - パルちゃん....お話の中だけどステージで輝いてるパルちゃんがもう一度読みたいよお😭どうなってしまうのか🥺 (2022年10月22日 7時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:来栖 | 作成日時:2022年10月1日 17時

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