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離れてみて、やっと気づけた。
失うことを恐れて愛を知らずに生きるよりも、勇気を出して愛を知ることの方がどんなに大切か。
もし彼と出会っていなかったら、そしてこの先一緒にいられなかったら。
それはもしかしたら、失うことよりもずっと恐ろしいことなのかもしれない。
『私、ジュニと一緒に生きたい』
あなたがいなければ、あなたの隣じゃなければ。
私はもうきっと、生きられない。
ジュニの大きな手が、私の頬を包んだ。
その手は微かに震えている。
JN「本当に……本当に、俺でいいの?俺がずっと、Aの隣にいてもいいの…?」
今にも涙が零れそうなくらい、ジュニの大きな黒い瞳が潤んでいる。
彼の手に伴うように、言葉を発する唇も震えていた。
彼のその言葉に、無我夢中で何度も頷く。
『ジュニがいいの、ジュニじゃなきゃダメなの。お願い、ずっと私の隣にいて。あなたの隣にいさせて』
『ジュニ、愛してる』
初めて愛の言葉を紡いだ、その瞬間。
ぐっと頭を押されて、柔らかく温かいものが私の唇に押し当てられる。
ふわりと鼻を掠めたのは、大好きなジュニの香り。
そしてほんのりと微かに、ミルクティーの香り。
初めは、何が起こったのかわからなかった。
私の唇を緩やかに食むそれがジュニの唇だと気付いたのは、その感触が消え去ってからだった。
JN「俺も愛してるよ、A」
僅かに離れた唇。
重ねているのとほとんど変わらないような距離で、ジュニの甘い声が降ってきた。
JN「俺、絶対いなくならないから。100年先まで一緒にいよう」
……ああ、聞こえる。
ジュニの声が、ちゃんと聞こえる。
もし、人はみんな幸せになるために生まれてきているのだとしたら。
どんなに不幸が訪れようとも、いつか幸せになるために生まれてきたのなら。
私はきっと、この日のために生まれてきた。
JN「A、大好きだよ。愛してる」
『私も愛してる、ジュナ』
確かめ合うように、何度もその言葉を口にする。
それと同時にそっと軽く肩を押されて、とん、と背中が床についた。
視界に入るのは天井と、切なげに微笑むジュニ。
JN「A……」
優しくて、ほんの少し熱っぽさを帯びた声と共に、口付けの雨が降る。
額、瞼、頬、唇、首筋。
蕩けてしまいそうなくらいに甘い口付けが心地よくて。
その中に身を委ね、沈めるように、ゆっくりと目を閉じた ─── 。
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来栖(プロフ) - セナさん» セナさん、ありがとうございます。必ずハッピーエンドにします!続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 景夜さん» 景夜さん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - 初コメ失礼します、、、!一難去ってまた一難😭😭パルちゃんとジュンくん、セブチのみんなが幸せになりますように……!更新応援しております🥹🥹 (2022年10月22日 9時) (レス) @page47 id: b2769f16fb (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - パルちゃん....お話の中だけどステージで輝いてるパルちゃんがもう一度読みたいよお😭どうなってしまうのか🥺 (2022年10月22日 7時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖 | 作成日時:2022年10月1日 17時