俺達のサジャ XIV

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昔は人を信じられなかった。

"永遠" は存在しないから。
みんないつかはこの世から消える存在で、失うのが怖かったから。


だけどジュニに出会って、私は変わった。

初めて信じた人が、ジュニだった。
ジュニなら信じられると思った。

そこからみんなのこともちゃんと信じられるようになったんだ。


……それでもやっぱり、両親を失った時の絶望は消えなくて、また失ってしまうことが怖くて。

それ以上先に進むことはできなかった。
ジュニから想いを告げられても、応えることができなかった。

大切なものを作って、また失ってしまうのが怖かったから。




だけど、最近になってようやく気づいた。

離れたら、呼吸をするのも難しいくらいに苦しい。
私はきっと、ジュニから離れたらダメだったんだ。

そのくらい彼が隣にいることが当たり前になっていて、大切で大切で仕方がなくて。


彼の存在はいつの間にか、私の心の壁を打ち破っていた。




10年前の私が今の私を見たら、相当驚くと思う。


……だってもう、気づいてしまったから。

彼と離れて、会えなくなって、ようやく気づいたから。





私はきっと、ジュニに恋をしている。





それも、最近のことじゃない。
私が気づかなかっただけで、きっとずっと前からそうだった。

私は臆病者だから。
失うことを何よりも恐れる、臆病者だから。


だから私はきっと、自分の気持ちに知らないフリをしていたんだと思う。

だってこの感情は、ずっと前から心の中にあったように、私の心に馴染んでいるから。




私は、なんて酷い女なんだろう。

ジュニの気持ちに応えられないなんて言いながら、本当は彼に恋をしていたなんて。


何度彼を傷つけた？
どれほど辛い思いをさせた？


彼はずっと私のことを思ってくれていたのに、それを受け取れなくて。

それなのに、今さらやっぱり好きだなんて。




……都合がいい、かもしれないけれど。


それでも伝えたかった。

早く彼に伝えたかった。




あなたが好きだ、と。

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