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だけど今の俺達は、見えないあの子の手に向かって手を差し伸べただけにすぎない。
俺達がAの手が見えなくなっているように、彼女からも俺達の手は見えていないだろう。
まだ、あの子は救われていない。
だから、俺達の手を繋ぐためには、あの子を救うためには。
JS「……ジュナ、気をつけて。Aをお願いね」
朝早く。
大きなスーツケースを持って宿舎を出るジュンを見送る。
JN「うん。……ヒョン達も、たくさんありがとう」
少し前までのジュンは、なんだか酷く焦っているようだった。
ただ焦っているのではなくて、なんだか苦しげだった。
きっとAとなかなか連絡が取れず、さらには日本に発つ許可を貰えるかわからなかったから不安だったんだと思う。
だけど許可が貰えてからのジュンは、明らかに変わった。
不安な表情は消え、Aに頻繁に連絡するようになった。
電話に出てもらえずとも諦めず、何度もかけ直して、毎日Aの状態をちゃんと確認していた。
普段、俺達にだけ見せてくれる自信無さげな表情はどこへやら。
" 俺が絶対に何とかしてみせる。"
そんな強い意思を感じるオーラを纏っていた。
" A、大丈夫?"
俺が聞くと、あの子の答えはいつも決まっていた。
" 大丈夫です、まだまだ走れます!"
あの子はそう言って、白い歯を見せて笑っていた。
スンチョルが聞いてもジョンハンが聞いても、他のみんなが聞いても同じ。
……ただ、たった一人を除いて。
" やっぱり私、ジュニがいないとダメだ。"
誰もがわかっていた。
……正直、ほんの少しだけ悔しいけれど。
だけど今、この状況でAを救えるのは。
上辺だけではなく、本当の意味でAの笑顔を取り戻すことができるのは。
JN「行ってきます」
それは、紛れもなくお前だけだよ、ジュナ。
SEVENTEEN official site→←あの子を救うには (JS side)
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来栖(プロフ) - セナさん» セナさん、ありがとうございます。必ずハッピーエンドにします!続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 景夜さん» 景夜さん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - 初コメ失礼します、、、!一難去ってまた一難😭😭パルちゃんとジュンくん、セブチのみんなが幸せになりますように……!更新応援しております🥹🥹 (2022年10月22日 9時) (レス) @page47 id: b2769f16fb (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - パルちゃん....お話の中だけどステージで輝いてるパルちゃんがもう一度読みたいよお😭どうなってしまうのか🥺 (2022年10月22日 7時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖 | 作成日時:2022年10月1日 17時