繋ぐ (JN side) ページ29
(JN side)
俺は、人に対して臆病になってしまう時がある。
その人が傷ついている時、俺なんかが声をかけていいのかわからない。
本当は、放っておいてほしいんじゃないのか。
励ましなんて所詮は口だけだ、なんて思われてしまうんじゃないか。
そう思ってしまう時が多かったから。
……ああ、なんだか昔も同じようなことを思ったな。
デビューする前、Aがスランプに陥った時だったっけ。
あの時のAは今にも消えてしまいそうになってて、怖くて咄嗟に手を掴んだ。
……だけど、今は。
Aが告発をされたと聞いてから何度か電話をかけているけれど、出てくれなかったり通話中だったりして一向に繋がらない。
きっと対応に追われて忙しいんだと思う。
だけどなんだかそれがAからの拒絶に思えてしまって、それ以上踏み入ることができずにいた。
見えないくらい遠くにあるAの手。
見えなければ、近くになければ、やっぱり俺なんかには掴めないのかもしれない。
……そんな時のことだった。
ウォヌが、物凄い勢いで俺の所にやってきたのは。
WN「ジュナ、頼む。Aの所に行ってあげて」
大きな手にスマホを握り締めたまま、ウォヌは俺に縋りついてきた。
見たこともないくらい、切羽詰まっている様子だった。
JN「ど、どうしたの?」
WN「Aが……アイツ、多分もう限界だ」
JN「えっ……」
Aが壊れてしまうんじゃないか。
常にその不安は頭の隅にあった。
だけど物理的に閉ざされた国境を越えることは不可能で、どうすることもできないのが現状だった。
その間に時間だけが過ぎていって、そしてその不安は現実になってしまったらしい。
JN「A……Aが、何か言ってたの!?」
WN「さっき電話が繋がったんだ。そしたら、もう疲れたって言ってて……アイツ、俺の前では絶対弱音なんて吐かないから。多分もう、壊れる寸前だ」
JN「そんなっ……」
それは、間違いなくAからのSOSサイン。
弱みを見せたがらず、滅多に弱音を吐かないあの子の、精一杯の悲鳴。
Aが、壊れる。
そんなの絶対にダメだ。
どうしよう、どうすればいい?
どうすれば、Aを助けられる?
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来栖(プロフ) - セナさん» セナさん、ありがとうございます。必ずハッピーエンドにします!続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 景夜さん» 景夜さん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - 初コメ失礼します、、、!一難去ってまた一難😭😭パルちゃんとジュンくん、セブチのみんなが幸せになりますように……!更新応援しております🥹🥹 (2022年10月22日 9時) (レス) @page47 id: b2769f16fb (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - パルちゃん....お話の中だけどステージで輝いてるパルちゃんがもう一度読みたいよお😭どうなってしまうのか🥺 (2022年10月22日 7時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖 | 作成日時:2022年10月1日 17時