黒 (SC side) ページ23
(SC side)
シュアが俺とジョンハンを呼び出した。
随分深刻そうな顔で話があるというから、一体何事かと思えば。
SC「……Aが、いじめられてた……?」
Aが告発されたことよりも、それは衝撃だった。
いつも表情の柔らかいシュアだが、今は苦しげに眉を顰めている。
JS「……うん。多分、俺が練習生になる前からだったと思う」
JH「……なんでずっと黙ってたの、そんなこと」
SC「おいジョンハニやめろ、シュアを責めるな」
JS「いや、それに関しては俺も謝るよ、ごめん。でもこういうのってすごくプライベートなことだし……Aが、知られたくなさそうだったから。みんなには言えなかった。ごめん」
シュアはいつもAの意思を尊重しようとする。
そしてAは、俺たちに心配をかけることを嫌がる。
だから今までずっと隠していたというのも納得がいった。
それと同時に痛感するのは自身の情けなさと無力さだ。
ずっと一緒にいたのに。
俺はリーダーなのに、Aが苦しんでいたことに気づけなかった。
人懐っこくて明るいあの笑顔に、勝手に安心してしまっていた。
JH「……ねえ、もしかしてあの時もそれ関係?何人かの女子練習生が一気に辞めさせられた時期あったよね?いじめに関与したって噂流れてたけど」
JS「うん、そうだよ。Aは宿舎で女子練習生達から暴力を受けてた。だから俺が警察に通報した。警察沙汰になったから、事務所もその人達を退学処分にしたんだ」
ジョンハンの言葉に、シュアは静かに頷く。
なんとなく、その時の記憶は残っている。
警察沙汰の事件を起こした女子が一気に辞めさせられたらしいという噂が広まった時期があった。
上からの説明は何もなくて、噂だけが広まっている状態だったが。
だけどまさか、そこにAとシュアが関わっていたとは。
SC「そう、だったのか……」
JS「……あの子、絶対に肌を出したがらないでしょ。いじめで付けられた痣がまだ消えてないみたいなんだ」
JH「……なに、それ」
Aは昔から肌の露出を嫌っていた。
暑がりで汗っかきなのに、いつも長袖を着ていた。
今でも半袖は着ず、夏はオーバーサイズの七分丈のTシャツを着ている。
そこにまさか、そんな悲しい理由があったなんて。
Aに、暴力を。
なんてことをしてくれたんだ、うちの大切なメンバーに。
ふつふつと怒りが湧き上がってきて、腸が煮えくり返る。
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来栖(プロフ) - セナさん» セナさん、ありがとうございます。必ずハッピーエンドにします!続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - てじさん» てじさん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
来栖(プロフ) - 景夜さん» 景夜さん、いつもありがとうございます。続きはもうしばらくお待ちください🙇♀️ (2022年10月26日 21時) (レス) id: 3b73c7ec64 (このIDを非表示/違反報告)
セナ(プロフ) - 初コメ失礼します、、、!一難去ってまた一難😭😭パルちゃんとジュンくん、セブチのみんなが幸せになりますように……!更新応援しております🥹🥹 (2022年10月22日 9時) (レス) @page47 id: b2769f16fb (このIDを非表示/違反報告)
てじ(プロフ) - パルちゃん....お話の中だけどステージで輝いてるパルちゃんがもう一度読みたいよお😭どうなってしまうのか🥺 (2022年10月22日 7時) (レス) id: 677831959c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:来栖 | 作成日時:2022年10月1日 17時