記録係。【アンナチュラル 】

脅迫状 ページ36

解剖室に入ると坂本さんのヘルプで入った
所長が既にスタンバイしていた｡


夕｢似合ってる〜！(笑)｣

なんかいつもとは違う風景で
新鮮だなあ。
ホワイトボードマーカーを片手に
チラリと中堂さんを見る。…不機嫌。

神｢本来なら誰がどこで解剖するかなんて
知られない方がいいんですけどね｡｣

六｢鑑定結果が気に入らないって逆恨みされたり？｣

『それもだけど...言う通りに鑑定書 書けなんて脅されたら困るでしょ?』


夕｢法医学者自身が殺人犯だったら...
自分の犯行の証拠をいくらでも隠せる｡｣


ミ｢物騒なこと言わないでよ..さ､始めよ｡｣




中｢神倉さん！ほらもっとしっかり持って！｣

神｢だって血で滑るし､あんまり見たくないですもん｣

あーイライラしてるー
これはまずい…このままいけば
この解剖をやめてしまうかもしれない。
ホワイトボードマーカーを置いて
所長の隣へ移動する｡


『所長｡変わりますよ？』

神「え？いいの？ありがとう」



中｢あぁ､使えなかった｡A、助かる。｣


『こらこらこらー！坂本さんが居ないから変わりにやってくれたんでしょ？』



神｢今､新しい人探してますから！｣

はあ。自業自得なのに…
と、顔を上げるとぎょっとした
六郎くんの顔。
なに見て…なんだあれ？


六｢あの､あれっていつからありました？｣


六郎くんの指さした方向に
みんなの視線が一斉に飛ぶ｡


【お前のしたことは消えない裁きを受けろ】



『…！』

六｢脅迫状？｣

夕｢金田一少年なら殺害予告...｣

神｢怖いこと言わないで下さいよ！｣

ミ｢一昨日は無かったから､見学会のうちに貼られた？｣


まさか。そんな。
いやでも知ってる人は…

怖い。ここまでもう来たの？
もうバレちゃうの？

バレたら…UDIにはきっと残れない。
そしたら…金魚は？お姉ちゃんは？

中「A。集中しろ。」

『あ、あのあれって…』

中「今は何をしてる」

『…解剖中です。すみません。』

仕事に戻ろう。今は考えるな。
目の前の事に集中しなきゃ。

しかし、なんだなんだと騒ぐ三澄班の声で
全く集中できなかった。

中堂さんにはこっぴどく叱られた。
…なんでそんなに平気な顔してられるんですか

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