コーヒー時々オムライス

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私は、そのまま駅へと向かう

そして、何食わぬ顔して、
電車に乗り

そして、いつも乗り換える大きなターミナル駅で降り
トイレに入った




最近設置された
化粧ブースで、
7時間半働き詰めたこの冴えない顔に彩を施す

少しずつ、会社にいる時とは違う
女の顔になっていく

普通なら、
会社で化粧直しをしていくけれど、
微妙な年代、煙無き所に、火種はなし


・・・

そういえば
私今日どんな下着来てたっけ

整えて個室に入り
確認する

もしもの時に備えは
必要


って、何してんだか、私・・・


個室を出て、手を洗い、
その鏡に映った冴えない自分の顔を見る

私の幸せどこ行った？

PPPPPPPP

カバンの中でスマホが鳴る

見慣れた番号

「もしもし？」

「あぁA？」

「今駅です」

「そっか・・・
いや、出る前にデスクがすごいことになってたから、
残業してるかなって思って」


「大丈夫です」

「ん・・じゃあ後ほど」

私は、タップしてホーム画面に戻す

消えたその番号は、
彼のプライベートの電話ではなく、
会社の携帯からだ・・・

この時点で、
すでに彼は私に下心があるということは、
いくら、恋愛下手な私でもわかる・・・


髪を耳にかけると
ピアスが揺れる

スマホをカバンに直し、
私は、その場から離れた。


ターミナル駅は言わずとしてた、
都会のど真ん中で
私は、
綺麗な駅ビルのコンコースの上から、
その流れる人込みを見ながら、
歩く

流れる方向は一定ではなく
その間を割って反対に進むものもいれば、
斜めに通る人もいる
その度に列が乱れ
それが濁流のように見える

もしかしたら、
濁流のように見えてる1番の原因は、
私が澱んでいるからかもしれない


痛い足をそのまま
私は、待ち合わせの場所に向かう

彼がいつも指定してくるのは、
そのターミナルの駅から、少し離れたところにある、
高層ビルの最上階のバーラウンジ

窓際に並ぶ形で
そして、ほぼ個室のように

隣との間隔や間仕切りが
自然と置かれている

おそらく、予約制だ


私はそのビルのエレベーターに乗り
そして、途中降り、
さらに、高層階につながるエレベーターに乗り換える

いつも思うけれど、
どうして、このビルは、
一気に下から最上階までのエレベーターを設置しなかったのだろう

ジンジンする親指を地面から離し
痛みを逃す


とりあえず、パンプスから
早く解放されたい

ただ、それだけだった

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