コーヒー時々オムライス

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エレベーターに乗り
一気に地上まで下りる

普通なら仕事中に滅多にビルの外に出ることはないから
なんだか、少しサボっているような気がしてソワソワする

いや・・・サボってるのか

私は、そのまま足早に、「NYkid」まで行く。

オフィス街の、オンタイム。
朝やランチタイムのように混雑しておらず
比較的落ち着いていた


私は、ガラスの扉を覗くように中を見る

中はお客さんがいないのか、例のギャルソン男とこの間私に注文を聞いてきてくれた
かわいらしい女の子が楽しそうに話しているようだった

明らかに今まで見た事のない、笑顔でその女の子と話しているギャルソン男


なんだ・・・普通に笑えるんじゃん

ていうか・・・付き合ってるのかなぁ

そう思ってしまうくらい、
その女の子との距離は近くそして、

その女の子もまた、話ながら、
軽く、そのギャルソン男の腕に、自然とタッチしたりしていた


まぁ、私にはできないことだわ、
あぁ言うことができるようになれば、
私の人生も変わってたのかもなぁ

なんて思っていると

入り口で止まっている私に気づいた
ギャルソン男が

いつもと同じ不機嫌そうな顔をして
こっちに近づいてきたので

私は慌てて、その扉から離れる


扉があき

「いらっしゃいませ」

・・・


さっきまで笑ってた彼とは全く違う
顏の彼


「のぞきは趣味悪いぞ」

「は？」


「だから、のぞきは趣味悪いっていってんの、今井Aさん」


「は？覗いてないし、こ・・・コーヒー買いにきただけですけど
それに、フルネームで呼ばないでくださいます？」

「コーヒー買いにきたんだったら、そんなとこ突っ立って覗いてないで
入ってきたらいいじゃん」



・・・
・・・

「だって、この時間やってるかどうかわからないから」


「看板」

「は？」

「看板に書いてあるでしょうが」


「な・・・」


「で？お持ち帰りでしょうか？
Aさん？」



下の名前で呼ばれて
ドキっとする


「ちょっと、軽々しく呼ばないでよ」

「は？ったくどっちなの？フルネームで呼ぶなって言うから、
名前で呼んだんでしょ？」


・・・
・・・


きぃぃぃぃぃ


「で？お持ち帰りでいいの？」


「け・・・」

結構ですっと言って帰りたいところだけど
どうしても、やっぱり
さっきの心に引っかかていたことを打ち消したくて

「お願いします」


と言ってしまった私

・・・あれ？

私、そもそも何に躓いてたんだっけ？

すっかり忘れちゃったじゃん

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