コーヒー時々オムライス

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ただ、
こんな自意識過剰すぎる職人気質の店員とは
私は、ビルに入る前に空を見上げる

どんよりしていたその雲はもうなく
綺麗な青空が広がっていた


「どうやら、天気のせいじゃないみたいだ」

と、ため息をついて
ビルに入り、そのカードホルダーをゲートにかざした



この20階建ての高層ビル全てが
私の会社が所有しており

各フロアごとに
部門に分かれて仕事をしている

おそらく、始業のベルが鳴り
10分経過している

今日は朝会があり
私は自分のデスクにつくと
PCをケーブルからはずし、
そして、ミーティングルームに急いだ

15人ほどの私の課

そっとミーティングルームを開けると
もちろん、すでに会議は始まっていて
みんなが一斉にこっちをみた

すると部長が
「大丈夫か？」

と私に向かってこう言った

私はチラっと萌絵をみると
目くばせを軽くしたので

「すいません、大丈夫です
会議続けてください」

とそう言って

私は、空いてる席に座り
PCを立ち上げた

するとすぐさま
PCのチャットlineで萌絵から

「体調不良で出社が遅れるって部長に言ったから」

と送ってきたので

私は、萌絵の顔を見ず、
まるで、仕事をし始めたかのように
画面を見ながら

すぐさま、返事をした


「ありがと」

「ここに来てるってことは、カード見つかったんだ」

「そう、見つかったんだけどね、最悪だった」

「何が」

「あとで言う」

そう言って私は、資料のページを開き
部長の顔を見た

部長は、私より５つ上
相変わらず整った顔立ちで
そして、何より機転が利く
この会社では、若くして部長に
まるで飛び級のように昇進していった彼は
会社内でも有名だ

部長は話しながら、何か考え事をしているのか
口に手をやりながら、PCに目線を移す

部長の癖だ

その指には結婚指輪がはめてあり

私にはなかなか縁のないものだと
思わずため息がでる

「どうした？やっぱり体調が悪い？」

心配そうに聞いてきた部長に

PCを見ていた全員が一斉に私を見る

「大丈夫です、すいません」

そう言って私は唇を噛み
PCを覗く

30も超えてきた私に、
今現在、彼氏・・・
はいるけれど、結婚とは無縁

ちなみに、同期の萌絵は
現在2人目を妊娠中で、あと数か月で、再び産休育休となる


こないだ、戻ってきたと思ったら、
また休暇だ

おめでたいことだとわかってる
でも、なんだろうな、
残された感ていうか、素直に祝福できない私もいて
複雑

そして、そんなことを考える自分にも嫌気がさす

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