消えない香り ページ9
でも・・・
考えれば考えるほど
あのまま・・・俺は押し倒してAをちゃんと抱けただろうか・・・
自問自答する
さっきビールをこぼしたAの胸元に近づいたとき
気がついたんだ・・・
それがきっかけで俺は・・・また数時間前の時のように
勢いだけでヤッてしまいそうだった・・・
今、少し冷静になって初めていろんなことを考えてしまう・・・
「なぁ・・・A、今日は・・・その・・・」
「何？」
「あ・・いやなんでもねぇわ」
「和だってずるいよ、言いかけてやめるなんて・・・」
俺は何かを言いかけたけど
グッとそれを飲み込み
そして、それが声に出ないように、ビールをぐぐっ勢いよく飲んだ
でも、やっぱり口に出てしまいそうで
そして、一旦息をつき
さらに口に含み
Aの後頭部を手で覆うようにつつみ
もう一度Aの口に押し当てて
飲ましてやる
でも、少し勢いがありすぎて
さっきよりも
Aの口からさらにこぼしてしまう
Aが苦しそうに俺の胸をドンドンと叩く
そして、唇を離すと
「////・・・和っ、服が・・・汚れちゃったじゃん」
俺は離した唇をかみしめた
俺・・・どうかしてる
さっきまで大丈夫だったはずの俺が
何を焦っているんだ？
俺の目の前にAがいるのに
もう、Aは俺のもんだとわかっているのに
Aの身体からはほんの1時間ほど前に最後に抱かれたしょうちゃんの香りが
残っていて
俺を一瞬にして苦しめた・・・
Aから・・・
しょうちゃんの香りがまだ残ってる・・・
消えないあの行為独特の男の香り・・・
「服？そんなのすぐ乾くだろうが・・・」
「タオル・・・貸して・・・ビールの匂いが・・・服だけじゃなくて首も・・・」
ビールの匂いの方が幾分かマシ
どうして、こんなにイラつくんだ俺？
「タオル？・・・んなもんより、来い」
俺はAの手を引き、
バスルームに向かった・・・
そうすべて、綺麗に俺が洗い流してやる
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結愛(プロフ) - 和くんの立場を思うと、やるせないです。しょうくんに依存することでしか生きられない主人公に、少しだけ私と似た部分をかんじました。 (2020年3月3日 20時) (
レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - とても面白いお話でした。最後の3話から訳が分からなくなって、何度も読み返しました。和くんの中の主人公が好きという気持ち、しょうくんの部屋での出来事などは全部記憶からなくなってしまったということですよね。しょうくんと主人公の存在も和くんの中から消えた。 (2020年3月3日 20時) (レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2020年2月14日 21時
