寝室 ページ19
女っていうのは、
さっきあんなにも大胆なことをやってのけたかと思うと
急にしおらしくなったり
わけがわからない
バスタオルがはだけないように
しっかりと押さえたA
俺はその手を引き
寝室に入る
そもそも１LDKのこの小さな部屋に
移動する意味はほとんどない
でも、そのほとんどあるようでない、
この部屋の境界線を超えるとき、
Aは、微かにひるんだ
「大丈夫だよ、
寒いんでしょ？
だったら、ベッドで食おうと思っただけだよ」
俺は、枕元隅にパイを置き
ベッドの上に転がってるであろう
クーラーのリモコンを探し、
暖房設定依して、28度近くまで、温度を上げた
そして、毛布をめくり
先にベッドの上に座り
Aの手を引いた
「入って」
Aはゆっくり、俺のベッドにあがり
そして、
その中に足を入れた
毛布の中で、俺の足とAの足がぶつかる
その足は、冷たくなっていて
さすがにこのまま裸でにさせていたことを
申し訳なく思った
俺らは、すわったままベッドのヘッド部分を背もたれに並んで座った
足の上に、
そのパイを袋から出して足の上に箱を置いた
「冷めちゃったね」
そう言ったAの声は、
少し冷ややかに感じた
「仕方ねぇだろが？
外は、あんなに寒かっただから」
と言うと
「そうだよね
あぁフォークは？」
そう言って、俺を見る
「もうこのままでいいよ・・・」
「べたべたになるじゃん」
「あとで洗えばいい」
そう言いながら、ゆっくりと箱を開けると
それはまるで宝石のように
綺麗に狂いなく並べられたイチゴが
寝室の光にてらされて
光った
「きれいだなぁ」
そう言っておそらく
無意識であろう俺の方に顔を寄せた
A
「ほら・・・どこから食べるのよ」
と聞く
「え〜もったいない・・・
形崩れちゃうじゃん」
そう言って、俺を見て笑った
俺は、その目に
グッと胸が締め付けられる
「え？じゃあどうすんのよ？
このまま見てるだけで終わっちゃうの？
別にそれはそれでいいけどさ・・・」
さっき一気に飲んだビールが、
俺の腹の中をいっぱいにしていた
「食べる・・・」
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結愛(プロフ) - 和くんの立場を思うと、やるせないです。しょうくんに依存することでしか生きられない主人公に、少しだけ私と似た部分をかんじました。 (2020年3月3日 20時) (
レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - とても面白いお話でした。最後の3話から訳が分からなくなって、何度も読み返しました。和くんの中の主人公が好きという気持ち、しょうくんの部屋での出来事などは全部記憶からなくなってしまったということですよね。しょうくんと主人公の存在も和くんの中から消えた。 (2020年3月3日 20時) (レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2020年2月14日 21時
