生ぬるいビール ページ17
「飲ませてやろうか」
とう言うと
さっきのビールの事があったからか
「大丈夫、自分で飲める」
と答えたA
俺は
「そ・・・」
と、とりあえず、
ペットボトルの
キャップをはずしてやり、
Aにそれを渡した
何口かに分けて、飲む
水が喉を過ぎる音すら聞こえる静かな室内
その静けさが
2人に距離を開けていた
ここに着いたときは、
すごく幸せな気分だったのに
その雰囲気を
俺は壊してしまったらしい・・・
俺は何も言わないままAが
水を含む姿をただ見ていた・・・
さっきからやけに喉が渇く、
この部屋乾燥してるのかと、
俺は、
再びAの顔を見下ろすと
今度はAが
俺をジッと見ていた・・・
「何？」
俺が言うと、
何も言わず、首を振ったA
その顔は、少し疲れているかのように見えて
さっきの浴室での出来事が、
Aの体力を奪ったかのようだった
俺は、何も言わず、
テーブルに置いたままにしていたビールを
一気に口に含んだ
それは異様に生ぬるく感じた。
やっぱり、俺も疲れているのか、
ザワザワと心が落ち着かない
とりあえず、
このどうしようもない雰囲気から、奪回しなくてはならなかった
この部屋に入る前のあの気分に
どうしても戻しておきたかった
Aの顏から、リビングの入り口の方を見る
すると、俺はそのまま、
玄関に置いたままにしてある
パイを思い出した
「A？、せっかく買ったパイなのに
冷めちゃったよな…食べる？」
と聞くと
Aは、声に出さず
ただコクンと頷いた
本当は、
パイなんて、甘いものを食べる気がしなかった
俺の手元にあるこのビールしか飲んでないっていうのに
胸の奥でやっぱり何かがつっかえているようだった
きっと、さっきのビールぬるくて、悪酔いをしたにちがいない
俺は、
「パイとってくるね」
そう言って、
立ち上がり、玄関に向かった
玄関の靴箱に、
そのタルトパイは置いたままになっていて
箱を触ると、
すでに冷たく冷めてしまっており
「焼きたて買った意味ねぇじゃん」
とおもわず、独り言が漏れる
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結愛(プロフ) - 和くんの立場を思うと、やるせないです。しょうくんに依存することでしか生きられない主人公に、少しだけ私と似た部分をかんじました。 (2020年3月3日 20時) (
レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
結愛(プロフ) - とても面白いお話でした。最後の3話から訳が分からなくなって、何度も読み返しました。和くんの中の主人公が好きという気持ち、しょうくんの部屋での出来事などは全部記憶からなくなってしまったということですよね。しょうくんと主人公の存在も和くんの中から消えた。 (2020年3月3日 20時) (レス) id: 790ab34727 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫姫
| 作成日時：2020年2月14日 21時
