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帰還 ページ48

「あに…うえ」

「…ただいま」


「っ!兄上!!」



あの後、蝶屋敷で治療を終え帰宅をした杏寿郎。

左目の失明と怪我によりもう刀を握るのは難しいと言われた



外で待っていた落ち葉を箒ではいていた千寿郎は姿を認識すると抱きつき泣き叫んだ




落ち着きを取り戻すと家の中へと入る



「父上はいるか」

「はい、部屋に」

「少し話をしてくる。千寿郎は待っていなさい」

「…後で、A兄さんの話を聞かせてくれますか?」

「…」

「兄上」

「ああ」



静かに微笑むと煉獄は父の部屋に向かう




「父上」

「…帰ったのか」

「はい、失礼します」


襖をあけ顔を上げると父である槇寿郎が布団から起き上がり外を眺めていた




「聞きたいことがあります」

「…」

「Aが何をしようとしていたか、父上はご存知だったのですか」

「…ああ」

「…Aは何故この家を去ったのですが」



槇寿郎は少し上を向き何かを思い出すかのように少し目を細めた




「あいつがお前が死ぬ夢を見て泣き叫んだのは十も満たない歳の頃だった」




【いやだ…もうこんな夢見たくない!!
杏寿郎が、杏寿郎が死んでしまいます!!】



「毎晩毎晩魘される度に俺のところに来ていた」

「…毎晩」



「いつからかあいつは感情を殺すようになり、一人で歩むことを決意した。まだ童だといるのに

お前を守ろうと必死だった」

「っ」

「あの晩だ…」






【父上、俺はここを出ます】

【何をするつもりだ】

【俺は、杏寿郎を守りたい。鬼殺隊の柱となり、あいつの運命を変えます】

【それでこれからどうするつもりだ】



【運命を変えるにはそれ相応の対価が必要です。
俺は二十でこの世を去るでしょう

その決意が揺らぐ前に俺はここを去ります】


【お前も、俺を置いていくのか】


【父上…俺は母上と約束しました

成し遂げたいのです】





その強い信念に俺は負けた





【一ヶ月に一回…必ず報告をしに来い】

【!】

【わかったな】

【はい!!】






「そんな…何故そこまでして」

「…愛しているからだ」

「っ!!」



一人で考えて、抱え、寂しかっただろう、切なかっただろう



一人で泣いていなのだろう




「すまない…すまなかった…A」



涙が溢れる



誰か


止めてくれ

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ゆず@yuzu - テララさん» 更新頑張ってください!現代編とかもう絶対面白い! (2021年1月3日 14時) (レス) id: 85e74b7017 (このIDを非表示/違反報告)
テララ(プロフ) - ゆず@yuzuさん» もう少し続きます!現代編も是非! (2021年1月2日 12時) (レス) id: 6f93d0d76b (このIDを非表示/違反報告)
ゆず@yuzu - 現代編!!!!!!まって気になる!!!!!! (2021年1月2日 10時) (レス) id: 85e74b7017 (このIDを非表示/違反報告)
テララ(プロフ) - うる。さん» こんにちは!とても嬉しいです!続編もあるので是非ご覧になってください! (2021年1月2日 0時) (レス) id: 6f93d0d76b (このIDを非表示/違反報告)
うる。(プロフ) - はじめまして。とても楽しく読ませていただいています!応援しています(^^) (2021年1月1日 4時) (レス) id: c6a0500e78 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:テララ | 作成日時:2020年12月5日 18時

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