復讐のレクイエム2東京編 (ページ4)

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暗黙のルール後編ページ4

工藤優衣side

はぁ…昨日はやらかしてしまった。この失態の代償はとてつもなく重い…。

重い足取りを教室に運ぶ。

ガラッと扉を開けると真っ先に由利亜が飛んできた。

「おっはよー！ねぇねぇきいた？きいた？転校生来るらしいよ！！あっ、ちょっと！昨日寝不足でしょ？…」

いつものマシンガントークの由利亜だった。

クラスの雰囲気もいつもと代わりない…なんだ…

大丈夫じゃん。不安がって損した。

「寝不足に見える？あたし、結構寝たよ…。てか、転校生とか初耳」

いつものようにたわいもない会話をしながら席に着こうとしたときだった。

「なにこれ！？」

あたしは目を丸くしながら自分の机を見つめる。

丁度ナイスタイミングで教室に入ってきた羚と湊斗がすぐに駆け寄ってきた。

「なんや…これ。誰がやったん！？」

「今すぐ名乗り出ろ」

静かに羚が一言呟く。低く怒りのこもった言葉が雰囲気を一気に変えた。

クラスメイトを見回すとふとみなみと目があった。薄くつり上げていた唇がふっと真顔に戻る。

ああアンタがやったのね。あたしの机に落書きをしたのは。

「ねぇ、みなみ。あんたさ？今笑ってたでしょ」

ビクッと肩を揺らしたみなみに一瞬で確信した。

「ばっかじゃないの？」

みなみに歩み寄ると胸ぐらを掴む。「うぐっ！」っと声をあげるみなみにあたしは容赦なく罵声を浴びせた。

「おめぇよ！うちらにいじめ返すとかアホなんですかぁ？…ざけんじゃねーよ！」

思いっきり床に叩きつけてやった。

後ろからスッと現れた羚が冷めた目でみなみを見下している。

「…おい…負け犬の遠吠え何てやめろ」

その言葉に反応したみなみが顔色を変えて羚に殴りかかってきた。男の羚の方が力がある。あっけなく投げ飛ばされたみなみ

それでもまた殴りかかってきた。

一瞬だがみなみの手が羚のネックレスに引っ掛かりネックレスがみなみの足元に落ちていくのが見えた。

ﾊﾟﾘﾝｯ

嫌な音がした。

恐る恐る下を見るといつも大事そうにつけていたペンダントが粉々に粉砕していた。

あーああんなぶっとい足じゃ割れるのも無理はない

「…」

羚には凄いショック立ったのか顔が真っ青になりその場で立ち尽くしてしまった。

「あっ、ご、ごめんなさい…わざとじゃ」

「サイテー…由利亜の事いじめといて人の物壊すとかそれ大切にしてたんだよ？貴方も大事なもの壊されたらショックでしょ？」

あたし達皆は怒りに溢れていた。