復讐のレクイエム2東京編 (ページ12)

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使用人過去編4 ページ12

それでも我慢が出来なかったから、言い返した。

「のえるさまは私をを助けてくれた」

「……」

のえるさまが、手を差し伸べてくれるなんて。

執事たちの中には、そんな信じられない思いが渦巻くのだった。

ーーーー

「ふふっ、おっかしぃ！」

のえるさまのための部屋で、彼に紅茶を淹れながら、レオはたくさんの話をした。

のえるはくすくすと笑いながら、レオの淹れた紅茶を口にする。レオは緊張した。

「い、いかがでしょう？」

「……まっずぃ」

眉間にシュワを寄せ口を八の字にする

「そ、それでしたらこちらのお菓子はいかがでしょう！！」

蒼白顔になるレオは汗ってクッキーをのえるに差し出した

直ぐに機嫌が戻ったのを見てホッとしたレオ

実は紅茶を淹れたのは、実に十年ぶりにもなる仕事だった。

普段はリゼルにお茶を淹れさせて、レオ自身はあれこれと注文をつけるだけだ。
　
準備ができたら横から取り上げ

旦那様の元に運んで行くのだが、彼たちはまだ旦那様の前に出て仕事をするレベルに至ってないため仕方がないのである。

「僕そろそろ寝なきゃ」

そう呟くと颯爽とベットに向かっていったのえるを後ろ姿を眺めた｡

ーーレオが使用人部屋に戻ったころーー

「やぶ遅くすみません」

小さく扉を叩く音がして、のえるは顔を上げた。

あのあとのえるはベット自室でゴロゴロしていた

手にしていた本を閉じて、のえるは立ち上がる。

「夜中にお客さんだぁ！！」

「よ、夜遅くに申し訳ございません」

それは、年若いひとりの執事だった。

昼間、レオに立ち向かっていたあの男性だ。

確か他の執事からは、リゼルと呼ばれていただろうか。

「どうしてもお礼を言いたくて。昼間はありがとうございました」

｢昼間～？」

「はい。執事長が私をクビにしようとしたのを、助けて下さいましたよね？」

思い至り、ああ、と目を伏せる。

目的のために執事長を呼びに行く際、たまたま彼たちのやりとりが聞こえたのだ。

そのときは確かに思うところがあり、レオの発言を遮る形で声をかけた。
　
「どういたしまして♪」

「貴方はわたくしの天使だ…」

うっとりとした目で見てくる執事リゼルに対しきょとんとした顔をするのえる

そのあとはたわいもない話をして一夜があけた｡