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side貴方
「十人十色って言葉、知ってる?」
マル「は…?」
よいしょ、と窓枠にもたれかかり、空を眺めながら突然そんな事を言ってみる。
訳が分からず首を傾げる二人に笑ってみせ、またポツリと言葉を繋いだ。
「例えばたくさんの人が共通して尊敬する人がいたとして。でも同じ人を尊敬していても考え方やその人の言葉の捉え方は皆違うの」
白「…何が言いたい」
「初めに言った筈ですよ。いくらエースの姉、白ひげさんの知り合いという肩書きがあっても全員が快く受け入れてくれる訳がないって」
マル「…それの何が毒盛っていい理由になんだよい」
「簡単だよ、彼等にとって私は得体の知れない“何か”なんだから。自分達が、大切な人が傷付く前に、最悪な事になる前に危険な芽は摘んでおきたいって思うのは変な事じゃないよ」
むしろ当然の事だ。
大切な人だからこそ周りに対する警戒心は強くなる。
白「………お前、何があった」
「お話するような事は何も」
白「聞き方を変える。何度裏切られた」
「ふふ、さぁ…。裏切られた事も、裏切った事も。数えた事はないですね」
マル「お前…」
「さて、と」
ぱん、と手を鳴らし無理やり話題を変える。
今私がすべき事はここから早く立ち去る事。
でもその前に。
約束したから。
「白ひげさん、マルコ。『お願い』です。エースにはこの事、絶対に教えないで下さい。あの子にはもう、苦しい思いはさせたくないから」
今まで散々彼を苦しめていたのはどいつだって話だけど。
彼は優しいから、この事を知るときっとまた探しに来てくれる。
白「…居なくなるつもりか」
「ちゃんと挨拶はしていきます。突然消えたりはしないって約束しましたから。…だから、朝まではどうかここに居させていただけますか?」
マル「1週間って約束だったろい…」
「………短い間でしたがお世話になりました。今後とも、エースの事をよろしくお願いします」
一方的にお別れの言葉を述べてから、部屋を出て行く。
______黙ってろ、なんて。
エースと同じぐらい、優しすぎる彼等には酷な事だろう。
「………本当、最悪だな私」
_________ごめんなさい
呟いた言葉は夜の潮風と共に、空へと消えていった______
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アボカド - 名探偵コナンの小説がなくなっているんですけどどうしたんですか?見たいです (2021年11月8日 4時) (レス) id: 76d350b07b (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - シアンさん» ぎゃぁぁ!すみませんありがとうございます…!すぐに訂正いたします! (2018年9月30日 12時) (レス) id: 0363bbcb34 (このIDを非表示/違反報告)
シアン - フードがハードになってますよ。間違えててたらすいません。 (2018年9月29日 15時) (レス) id: d9b27504fd (このIDを非表示/違反報告)
かっぱの子(プロフ) - 翡翠さん» まだ出てないですね…。すみません!多分出てくるのは次章になるかと…!もうしばらくお待ちください…!! (2018年8月21日 21時) (レス) id: 0363bbcb34 (このIDを非表示/違反報告)
翡翠 - 麦わらの一味がまだ出てない…(T ^ T)←気づいてないだけかもしれません。そうだったらごめんなさい (2018年8月19日 22時) (レス) id: a7a84deb30 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かっぱの子 | 作成日時:2018年2月17日 21時