暖かな雪 ページ8
「ここまでされて言わねえなんてあんた肝座ってんな。でもこれが最後だぜっ」
立原がナイフを振り下ろそうとした瞬間Aは覚悟を決めて目を閉じた。
(大好きだったよ谷崎君)
最後になるはずだった言葉は心の中に消え。銃声と共に誰かが倒れる音がして目を開けると
血まみれの立原が床に転がっていた。
そしてAの鎖は切られ、力なく床に転げ落ちるはずが何かに抱きしめられていた。
(こんなことが出来るのは、私を助けてくれるのは彼しかいない)
Aは暖かくて優しく抱きしめているその人の名前を呼んだ。
「谷崎、君」
徐々に姿を現した谷崎はAを抱きしめたまま動こうとしない。
Aの方には血とは違った何か温かいものがポタリポタリと落ちてきた。
「Aちゃん…ごめん。ごめん」
「謝らなくていいんだよ。谷崎君は悪くない」
谷崎に会って安心したのかAの意識は朦朧としていた。
最後に意識を手放す前にお礼が言いたかった。だけど出てきた言葉はお礼とは別のものだった
「す、きだ、よ…たに、き、くん」
Aが最後に聞いたのは大好きな彼の叫び声だったような気がした。
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クコ(プロフ) - ルイさん» コメント返信遅くなってしまいすみません。そう言ったことは読者様のご想像にお任せします。 (2018年10月9日 20時) (レス) id: c68ef9c665 (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 立原さんは死んだんですか? (2018年9月14日 18時) (レス) id: 63736b3e41 (このIDを非表示/違反報告)
クコ(プロフ) - 桜木 茜さん» コメントありがとうございます!!そんな風に言ってくださると物書き冥利に尽きます! (2018年4月20日 3時) (レス) id: c68ef9c665 (このIDを非表示/違反報告)
桜木 茜(プロフ) - 今日最後まで読ませていただきました。涙がドバドバ止まりません、すごく良かったでふ! (2018年4月18日 20時) (レス) id: 276600753d (このIDを非表示/違反報告)
クコ(プロフ) - 雪のさん» 最後まで読んでいただいて、さらにコメントまで下さってありがとうございます!!嬉しい限りです!これからも頑張っていきます! (2018年2月18日 23時) (レス) id: 336d684e71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:クコ | 作成日時:2018年1月11日 3時