【CS】春 (ページ11)

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過去ページ11

【過去】

僕、久遠千春は、小さい頃からアイドルに憧れていた。
ステージの上で輝くアイドルに、僕はなりたかった。
中学生になってもその思いは変わらなかった。

ある時、僕は勇気を持って家族にこう言った。
「僕は…アイドルになりたい！」
ってね。

父さんと母さんは「いい夢じゃない！」って言ってくれた。
姉ちゃんは「いいと思う！千春ならなれるよ！」って言ってくれた。
弟は「ちはるねえ、がんばって」って言ってくれた。
兄貴は…「俺は反対だ。お前なんかがやったら、絶対失敗するぞ」
って言ってきた…。

そんな兄貴に対して、父さんと母さんは、
「そんな事言うんじゃない！」
「千春が手に入れた夢なのよ！？折角なんだから、応援してあげなきゃ！」
って言った。
それでも兄貴は反対した。
…まあそれでも、アイドル事務所のオーディションを受けたんだけどね！
そしたら、運良く1回で合格したんだ！

そして事務所の方針で、
僕は男女混合ユニット「リベルテ」に入る事になった。
それからの日々は…忙しかったけど、楽しかった！

ほぼ毎日歌やダンスのレッスンとかだったけど、
それすらも、僕は楽しいって思った！
初ライブで初めて見た、僕らの色で光るペンライトの虜になったり、
バラエティ番組の企画でバンジージャンプやったり、
ドラマとか映画に出演したり…！！

兄貴はずっと反対してくるけど、それ以外の皆は僕を応援してくれたんだ！
仕事の都合であんまり学校に行けてなかったけど、
偶に言った時は、皆僕の事を褒めてくれた。
「千春が出てたバラエティ番組見たよ！千春の言ってる事が凄く面白かった！」
とか、
「この前のライブ行ったよー！楽しかった！」
とか！
聞いてて凄く嬉しかった！
アイドルを始めて、本当によかった！
そう思える日々がずっと続くって思ってた。

…勝負が始まるまでは。