第二十六話 ページ28
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『もしもし』
[鈴!至急動いてほしい!今から送る場所に向かってくれ]
『…ああ、もしかしてポートマフィアの密輸船ですか』
[!?なぜそれを…!]
鈴がゆったりとした足取りでどこかに向かっている
黒く染まっていた手には頑丈な革手袋がはめてあった。
そしてその手中にはパソコンから抜き取ったデータチップ
『…ポートマフィアに“遭遇”して敦くんの居場所を突き止めました。
それで運良くそいつが船のデータを持ってたのでハッキングして船は操作してあります』
[なっ…!?]
『と、言っても微小なものなので船長が気付けば解除されるショボいのです。
時間は稼ぐようにしろと_____太宰に指示されました』
スラスラと出てくる言い訳は少し本音が混ざって出ている
電話口の向こうでは先程と同じように驚いているであろう国木田先輩の声
僕は先程ポートマフィアの女性から記憶を消去するのと同時に
“あること”を知ってしまった。本当に腹ただしい限りだよ
『国木田先輩にあとは任せます。僕は太宰を迎えに行くので』
[お前…!太宰の居場所も知ってたのか!何故それを教えなかった!]
『学生って忙しんですよ…。言い忘れは見逃して下さい、それでは』
[なっ!待て!鈴]と制止の声は聞こえなかったことにしてプツンと通信を切った
あーあ…これは怒られてしまう案件だな。しくじった
後で仕事はみっちりやりますので許してください。
『さて…と』
*
力強い打撃と素早い攻撃、中也が綺麗な動作で拳を向けていたのは太宰だ
太宰の手には手錠なんて存在せずに解放された姿で攻撃を避けていた
「おっと」
「!」
中也の手首をがっしり掴んだ太宰がそのまま彼の鳩尾に拳を落とす
だが、そんなパンチを物ともせずに中也が蹴った
その脚は見事に命中して大きな背丈の彼を数mも蹴り飛ばす
「マッサージにもなりゃしねぇ。
手前の格闘術はマフィアでも中堅以下だ、異能無効化は厄介だがこの状況なら使うまでもねぇ」
そう言う中也は崩れる太宰に近づいた
太宰は過去にポートマフィア幹部としてマフィアに所属していた
二人はその環境下で共に戦った仲だ
お互いを知り尽くしているのは当たり前なのだろう。
「さすがマフィアきっての体術使い…」
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みき - とっても面白いです!更新頑張って下さい! (2019年6月16日 8時) (レス) id: 8d56403f64 (このIDを非表示/違反報告)
☆のん☆(プロフ) - 11話、淳じゃなくて「敦」です。キャラクターについての誤字はもっと気をつけたほうがいいと思います。 (2019年5月21日 15時) (レス) id: b41524b4b3 (このIDを非表示/違反報告)
十夜 - クドい様ですが、敦が淳になってます。 (2019年5月6日 21時) (レス) id: c029fe2fa8 (このIDを非表示/違反報告)
ルーカス - 続きめちゃめちゃ楽しみにしてます! (2019年5月1日 21時) (レス) id: 9beb8a0104 (このIDを非表示/違反報告)
なっつ(プロフ) - 中島敦が中島淳になってますよー!更新応援しています! (2019年4月26日 21時) (レス) id: 956baee6af (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水餅 | 作成日時:2019年4月20日 12時