サヨナラ僕の可愛い人【三途春千夜】

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「遊びは終わりだ」



履いてたヒールを手で持って必死に逃げ回る女の真横に鉛玉を打ち込む



勿論彼女に当たるわけがない。



『なんで、なんで…なんでよ』






行き止まりで彼女は諦めたのかようやく俺と向き合う





『なんで居るのよ…春千夜くん』





うるさい。うるさいうるさいうるさい



そんな顔で俺を見るな。






「お前こそ…テメェこそ、俺を裏切りやがって！」






裏切り者。




裏切り者はスクラップだ。






狙いをニキビのない綺麗な額に標準を定める






上手く定められずイライラしてしまう。




何も変わってない。少しは老けてろよ



「お前は知り過ぎたんだ。だからスクラップだ」



言い聞かせても自分を諭しても




手の震えが止まらない



コイツだけ、あと殺るのはコイツだけなのに…







凛として見詰める瞳に負けてしまいそうだ



そうだ俺は昔からコイツには弱かったな







抱き締められたらどんなに幸せなんだろうか




薬なんかよりも俺を満たしてくれるんだろうな




一時期的にじゃなく一生だ。







戻りてぇな…あの頃に



柄にもなく弱音しか脳内には過ぎらない





こんな俺を、見て欲しくなかった




けど今は梵天の存続のため、王の為






……俺の為に動くのが許されるなら



何をする？







「お前なんて…お前なんて、」




人を殺めることに取り乱したのは初めてだ。



そのくらい、愛していたのだ






発砲音が轟く









あの時、もっと気持ちを伝えてたら





この世界はもう少し色付いて幸せが溢れてたかもしれない

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