くじら一家の末っ子くん part2 (ページ17)

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くじらが63匹ページ17

「ちょっと待て、エース！オヤジに話があるから間に入ってくれっていうからつれてきたら、そりゃ、なんのつもりだ」

完全にいまの話に面食らったサッチと俺
俺はいまだにぽかーん、としている
サッチは頭を抱えた

「……話を整理するぞ。エース……おまえ、オヤジに恩があるっていったが、それはなんの恩だ」
「おれの仲間たちがメシを食わせて貰った」
「おまえも食ってるだろ」
『というか…ポートガスが一番食べてるって聞いたけど…』

俺とサッチの言葉は図星なのか、エースは頭をかいてとにかく、と切り出した

「とにかく一宿一飯だ……！その恩は、かえす！食った分は働く！
おれは……ガキの頃からそうやって生きてきた。
だから、他のやり方が、わからねｪ」

「つまり……ウチに入るってことだろ？オヤジの息子に……」
「ちがう」
「え？ちがうの」
『ちがうんだ』

サッチはちがうの、と俺を見たが俺も驚きだからみても無駄だった
ポートガスのはなしは最終的に父さんに丸投げしてとにかく働かせろ、とのことだった

本当におれは彼の何を見届ければいいのかわからなくなってきた

「働くったって、おめｪ……なにができる？」
『雑用とか？』
「億超えのルーキー様が？」

ポートガスはそれもちがうという
曰く、父さんに貸しを作るくらい働きたいらしい

『父さんに貸し作って……それどうする気？』
「貸しができたら……そりゃｧ、返してもらう。それが仁義だろ。

おれはな、白ひげ……"おまえとの勝負"を要求する」

「は………？」『…』

俺とサッチは言葉を失った
めちゃくちゃだ。
めちゃくちゃすぎる。
根本的に変わってないように感じるのは俺だけだろうか。
彼はこれまでなん十回も父さんに返り討ちにされているのに、ルールが変わっただけではないか？！

俺と恐らくサッチはそう思ったであろう
だというのに、当の本人に、父さんの返事は

「そうか」

だ。そして、わかった、と父さんはいう
サッチの制止の声を遮りポートガスは話は決まったといい、父さんはそのうち大きな仕事をやるから皿でも洗ってろ、という

そして父さんはそのまま船室に戻ってしまった
サッチも俺も途方にくれた

「ああ、そうだったよ。エース……お前がバカなら、オヤジに海賊バカなんだ……」

『結局おれは今の何を見届ければよかったのさ…』