西川さんの彼女 (ページ4)

今日:17 hit、昨日:21 hit、合計:77,451 hit

＊ページ4

ほんと、めっちゃ優しい。

『兄の家泊まるんで、迎え来てもらえるんで大丈夫ですよ！ありがとうございます！
卓さんと陽平さん大好き…！お礼にお土産買ってきますね！あ、やばい、陽平さん行かないとやばい』

投手チームの練習の時間。

鍵「わ、やば。卓、じゃあ、後でね」

卓「おー！」

バタバタと2人で移動してギリギリ間に合った。

～

先程からめっちゃ見つめられる。

『…亮くん？』

亮「Aってさ、海外ドラマ出てない？CSI化学捜査班」

『？出てるよ』

亮「やっぱり！？最近ハマってるんだよ！」

『う、うん。留学してたからお小遣い稼ぎで。』

亮「すげー！！え、後でサインくれない？」

『い、いいけど、私そんな有名人じゃないよ…？』

亮「いやいや、向こうではめっちゃ人気って見たよ！」

『向こうでは珍しがられただけ』

全然大した事ないんだけどなあ。
そんなこと片隅に思いながら、シャッターをきる。

～
見るからにハードな練習をした皆様。
お疲れ様でした。

ロッカー室へ、約束通りの品を無事渡し、陽平さんと卓さんのシャワー待ち。

遥輝さんの椅子に腰掛けてると、シャワーから上がってきた遥輝さん。

遥「さっき、亮に何渡したん？」

『ん？サイン。ドラマ見てくれたんだって』

遥「あー、どれ？」

『CSI』

遥「あぁ、あれめっちゃ可愛い。デビュー作やろ？」

『…よく覚えてますね』

ほんと、凄い。
ガシガシとタオルドライしてる手を止めると…

遥「今日、卓さんが送ってくれるってな」

『はい』

遥「ごめんな。迎えは行くから飛行機決まったら教えて」

ぽんぽん、と頭を撫でられる。

『…はい、連絡しますね。ちゃんとご飯食べてくださいね？』

遥「ん、寂しいから早よ帰ってきてな」

『早い飛行機取れるようにしますね？』

遥「…ほんま、自分天然やな…。ま、待ってる」

私にタオルを被せると、周りに見えないように小さくキスをした。

悪戯っ子みたいな笑顔をして、離れた。

鍵「もしもーし、お2人さん？いっちゃいちゃしてるとこ悪いんだけど、そろそろ出るよー？」

『ひゃいっ！？(び、びっくりした…)』

遥「暫く会えないんで、満喫させてくださいよー」

鍵「充分ずっと練習以外はひっつき回ってただろ。笑
わざわざ練習日じゃないのに」

…そうだ、朝からずっとついて離れなかった彼。
練習日でないのに来てくれる優しい彼氏。

『お土産買ってきますから、待っててくださいね』

ちょっとだけ寂しいなんて内緒。