今日くらいは。 ページ13
『んん…?ぁ、ぅ…ッ』
陽の光で、目が覚めた。昨日は2週間会えなかった分と言わんばかりに好き勝手にされたので、若干声も枯れ気味だ。
抱きしめられて、肌が触れ合う場所が心地良くもあるけど、寝てるとは思えぬ力でがっちりホールドされて身体に回された腕が中々外れない。
『ぅ…。ほんとに、寝てるの…?』
上を見ると、若干白目になりながら、ぐぅ…とイビキが聞こえた。
『…寝てる…。ぅう…』
白目むいてイビキは熟睡してる時の癖だから、多分、本当に寝てる。少し身体をずらして、隙間から腕の中から逃げた。
痛む腰をさすりながら、適当に拾ったTシャツは遥輝さんのだけど、もうしゃがむことが面倒なのでこれを着た。
『でかい…』
ぶかぶかだ…!流石アスリートだなあ、なんて。
キッチンに行って、冷蔵庫からお水を取り出してベランダへ。
『ん〜っ!いい天気だなぁ…』
まだ朝7時だけど、太陽も出て綺麗な空。
水を一口飲んで、下を見るとちらほら通勤や通学の人達。
『いってらっしゃい』
聞こえないだろうけど、そんなことを呟く。
今日は休みなので、のんびりできる日だけど、寝過ぎると日々のルーティンタイムが崩れてしまうので、朝日を浴びてすっきり目が覚めてきた時、後ろから逞しい腕に抱きしめられた。
『わ、遥輝さん、おはようございます』
遥「んー、はよ…。今日は休みやろー…?」
眠そうな間延びした声が顎を乗せた、頭から降る。
『ルーティンタイム崩したくなくて。朝ごはん作りますからまだ寝ててもいいですよ?』
遥「いやや。折角一緒におれるのにひとり寝とか嫌やわ」
ふいに足元を掬われて、横抱きされ中に戻される。
『きゃっ!?遥輝さ、んん…ッ』
抗議しようと唇が動く前に、奪われる。
遥「うるさい唇は塞ぐで?2週間も俺に寂しい思いさせた罰や、今日は離さへんで」
『…もう、今日だけですよ…?』
諦めて、身を任せ一緒にベッドへ再び沈み、すぐに微睡みに落ちた。
再び目が覚めると、お日様も大分上にいる時間。
『ふぁ、寝過ぎた…』
今度は後ろから抱きしめられたままで眠っていたようで、遥輝さんの吐息が耳にあたるから少しくすぐったい。
『…ブランチどーしようかな…』
遥「んー…」
するり、と大きいワンピースのようなシャツの裾から胸をやわやわと揉む遥輝さんの大きな手。
『…遥輝さん?』
遥「俺はもっかい、Aをな…『暫く2軍に行きますか?^ ^』…すみませーん…」
彼女には逆らえない西川遥輝。
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瑠奈 - 早く続きが気になります (2021年11月29日 21時) (レス) @page21 id: 01ff7e7c8f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みむ | 作成日時:2020年5月13日 20時