悪い噂 (ページ3)

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暫くして二次会に行く人と帰る人に別れることになった。行く気なんて全くなかったはずなのに樹くんが行くって言うんだもん、参加するしか無かった。

「あんた、二次会行くの？」

『あ、北斗さん』

「呼び捨てでいいよ、堅苦しいし」

『じゃあ、北斗...』

「で？行くの？」

『そりゃ行くよ』

そう言うと分かりやすく溜息を吐いて「俺も行くわ」って。

え、？無理やり連れてこられたんじゃないの？って思うけど北斗がどうしようが私が口を出すわけにはいかなくて口を噤む

「あ、北斗も来る～？」

「おう、カラオケでしょ？」

「正解！北斗も歌えよ～～！！」

‘‘ 俺、歌上手いんだよ～ ’’ と言いながら私の友達と騒ぐ樹くんを見て、胸が苦しくなる

「もっかい言うけどさ、樹はやめたら？」

『っでも、』

「好きだって気持ちだけで彼奴を想ってるのは自分を苦しめるだけだよ」

きっと北斗は今までたくさんの女の子を見てきたんだと思う。
こうやって樹くんに好意を寄せて悲しんでいく子達のことを...

きっと、私もその子たちと同じように映ってるんだろうなって思った。