悪い噂 Ⅱ (ページ49)

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悪い噂はたくさん聞いた

悪い噂はただの噂、そんな風に思って目の前で起こっていること全てを目で塞いだ

傷つきたくなくて、自分を守ったけど、自分を守っているようで私はずっと北斗に守られていた

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「Aちゃーん！」

『あ！樹くん！』

「んへ、私服かあいいよね」

『ありがと』

「北斗と舞花もう着いたって」

『わぁ！それは急がなきゃだ』

「いーよ、ゆっくり行こ」

ぎゅっと絡めて、のんびり歩く
北斗がバイト先の店長から貰ったらしい夢の国行きのチケット
4枚もらったから一緒に行こう、って誘ってくれた

あれから、北斗とも舞花とも今まで通りだった
樹くんと付き合ったことも自分の事のように喜んでくれてこっちも嬉しくなる

付き合ってから知ったけど、樹くんは相当私に甘い

「Aちゃん好きだよ」

「Aちゃんかあいいねえ」

「Aちゃん、俺のこと好き？」

「じゅったんのお膝空いてるよ？」

って、事ある毎に好きって言ってくれるし、スキンシップを取ってくる。最初は戸惑ったけど、’’ 嬉しいの、Aちゃんと付き合えてることが ‘‘ って言われたときに、幸せな気持ちでいっぱいになった。

「Aちゃん、なに考えてるの？」

『ん？幸せだなあって』

「んへ、なにそれかあいい」

『あ！舞花と北斗いた！』

「あぁ、もう！走ったら危ないよ！」

そんな樹くんの忠告も聞かずに走ったら躓いて転びそうになった。

「あぶねぇ！」

って北斗に抱き留められて、久しぶりに香る、北斗の匂い

「大丈夫か？」

「A、気をつけてよ〜」

なんて心配する2人、と

「もう、だから走らないでって言ったじゃん。
あと、長すぎる」

って北斗から私を引き剥がす

これも、付き合ってから知ったことだけど、樹くんは独占欲が強くて嫉妬深い。

そんな樹くんの一面にもきゅんとする。

「はいはい、ほら、早く行くぞ」

そんな北斗の声でみんなで夢の国へ向かう

北斗から私を離して、指を絡めてふにゃふにゃな笑顔を私に向ける。可愛くて、頭を撫でたら「もっと」って。

舞花と北斗は呆れてるけど、もう見慣れたらしい

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やっぱり、噂だけを信じてはいけないなって
私は樹くんと付き合って幸せだから

これからもずっと、隣で笑っててね