悪い噂 Ⅱ (ページ28)

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「ねぇ、北斗なの？北斗のところに帰るの？もう...俺のこと、好きじゃなくなった？」

そう言う樹くんは捨てられた子犬みたいな顔をしていた。

『そ、ういう訳じゃ、、』

「Aちゃん言ったじゃん。強がらないで、って。俺言ったよね？ずっと好きでいて、って」

あぁ、過去の私に言ってあげたい。
貴方の言葉がこの先自分を苦しめるよ、って。

確かに言った。
強がらないで、って。
でも今なら考えてしまう。樹くんは強がっていいのに私は強がっちゃダメなんだ、って。

「俺、Aちゃんしか居ねえの」

『じゅ、りくん』

いるでしょ？貴方にはたくさん。
周りに嫌という程可愛い女の子も、自分が好きな人だっているじゃない。

やっぱり樹くんは自分勝手だよ。
でも、その樹くんをどうしても好きな私は本当に馬鹿なんだ。

「ごめん」

その言葉と共にベッドに押し倒された。
その先のことはあまり、思い出したくない。

だって、今までで1番優しくて今までで1番残酷だったから。

彼が果てる前に言った

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「っ、舞花、！！」

って。