悪い噂 Ⅱ (ページ23)

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お風呂に入りながら考える。

私が辛い時、必ずそばに居てくれる北斗の存在の大きさを。
樹くんと居ても辛いだけなのに。

たくさんの悪い噂。
それに辛い思いはたくさんした。
でも、その噂の裏には樹くんなりの寂しさが隠れてて、気づいてしまったらもう放っておけないんだ。

どれだけ傷つけられても、樹くんを好きって気持ちが勝ってしまう。樹くんの幸せを願ってしまう。

『あー、馬鹿だなあ。わたし』

どうしたら良いのだろう。

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「Aちゃん！おはよ」

『樹くん、おはよう』

「ひっさびさに朝ちゃんと起きれたわ〜」

『遅刻多くて怒られた？』

「うん、そろそろ来ないと単位あげねえって言われた(笑)」

『それはきついね(笑)』

「毎朝Aちゃん起こしにきてよ」

『っ、なにそれ(笑)』

さぞ当たり前かのようにそんなこと言うから戸惑う。
毎朝、樹くんに会うと抜け出せなくなるんだよ。

もう、これ以上好きになりたくないのにね。

「ねえ、Aちゃん今日さ...」

「樹！A！おはよ！」

ガシャン、って崩れた音がした。

「おぉ、舞花」

「朝から2人仲良いねえ」

「んだよそれ(笑)」

「私も仲間に入れてよ」

「仲間もなにもねえって」

って、笑いながら歩く2人に着いていくのがやっとで、会話なんて楽しめない。

やっぱりどこから見てもお似合いで、おじゃま虫は私だなってしみじみと感じる。
自然と歩くスピードは遅くなるし、それに伴って2人との距離も遠くなる。

でも、2人は気づかずに進むから苦しくなって仕方ない。居心地悪いなあ。

って、そう思ってるとなんで貴方はいつも現れるの？

「よっ」

『ほく、と』

「なあに朝から暗い顔してんの」