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『舞花、彼氏と別れたって』
「えっ、」
『やっぱり樹くんのこと好きだって』
私の歩くスピードが落ちたのを察して、同じようにスピードを落とす。でも、決して振り向かない。
振り向かれたら、泣いちゃうから。
今の私には有難かった。
『樹くんにもう一度イチから好きになってもらうように頑張るって、そんなことしなくても樹くんは舞花のことだけが好きなのに...』
立ち止まって、下を向く。
頑張れ私。泣くな。
って、そう思っていたら目の前にふわっと影がかかった。
思わず顔を上げると眉毛をこれでもかってくらい下げた北斗がいて、なんで貴方がそんな顔するの？って。
そう問いたくなるくらい、苦しそうな顔。
『っ、ほく』
「がんばったね」
ふわっと頭を撫でて優しく笑う。
「逃げたくなったらいつでも待ってるから。1人で泣く前に俺のとこ、ね？」
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作者名：かす | 作成日時：2021年9月15日 1時
