悪い噂 Ⅱ (ページ17)

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そのまま次の日が休みということで北斗の家にお邪魔することになった。

「なんか久しぶりだな、お前がここにいんの」

『まぁ、はい』

「なに？申し訳なくなってんの？」

『そりゃあそうでしょ。すっごい避けてたし』

「ここにきて認めんのね」

ふは、って笑う北斗はいつだったか教えた私の好きなココアを持ってきてくれた

『北斗の家にココアなんてあるんだね』

「貴方用に買ったんですよ」

『え？』

「貴方がこの家に来た時に出せるようにね」

言わせんな、って笑いながらコーヒーを飲む北斗は大人びていて、樹くんとは違うなって改めて思い知らされた。

そして、樹くんの前では子どもだって思われたくなくて飲めないココアも、不思議と北斗の前では飲めるんだ。

きっと、知らないうちに樹くんは知らない素の私を北斗はたくさん知ってるんだろうなって、そんなことに気づいしてしまった。

「ん？なんかあった？」

『っ、ううん。なんもない』

「そ？」

ごく、っとコーヒーを飲む北斗の喉仏をぼーっと見ていると「見すぎ」って少し照れながら目を隠されて、その時にふわっと香った北斗の匂いはやっぱり安心するものだった。