悪い噂 Ⅱ (ページ15)

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あれから数日経って、北斗とは気まずいまま
あの時北斗の手を握り返せなかった、そんな自分も嫌いだった

会っても、彼はなにかを言おうとする
それを聞きたくなくて逃げるから、私だって弱い
でも、それを樹くんには見せられなくてずっと強い女でいようって決めた。

でも

「貴方さ、その逃げる癖やめたら？」

って、ここ数日逃げていた北斗に捕まった

『いや、逃げてたわけじゃ、』

「バレてるから、その表情から」

『ごめんなさい』

「傷つくのよ、俺だって。告白した女の子からあからさまに逃げられたら」

『はい、』

「てか、なに？樹と付き合ったわけじゃないんでしょ？なら俺だってまだチャンスあるし、俺のチャンスを貴方が無くさないでくれない？」

あぁ、北斗ってこんなにお喋りだったっけ？
まぁたしかに仲良い人の前では饒舌だったか、なんて
くだらないこと考えてたらデコピンされる

「人の話はちゃんと聞きなさい」

『北斗ままみたい』

「こんな娘願い下げなんですけど」

『私も口うるさいままやだ』

「黙れる？」

『それが好きな子に対する態度？』

「あ、そういうこと言っちゃうタイプ？」

くそー、俺が好きなの分かっててそういうこと言うのずるいね。ってちょっと伏せた目で言うからちょっと緊張。なんか口滑ったかも。

「ま、貴方が俺の好意忘れなければなんでもいいよ」

そんなこと言われたら忘れられないじゃないか