第2話 幸せな一日 ページ3
夜
結局、私たちは一日中外を歩き回っていた
スミレちゃんをひとりじめしちゃったね♡
帰りのバスの中でふたりきりだった私たちは一番後ろの席に並んで座った
窓からは綺麗な三日月が見えていた
A「疲れたけど楽しかった〜!やっぱり一緒のオフっていいね」
スミレ「そうだね」
A「こんな日がずっと続けばいいのに・・・、でも、スミレちゃんと一緒なら、明日からのアイカツももっと頑張れる気がする♪」
スミレ「うん・・・、」
スミレちゃんは目を閉じて私の肩に寄りかかってきた
疲れてるのかな?つられて私もスミレちゃんに寄りかかる
スミレ「こんな日がずっと続けば・・・、その方が幸せなのかな?」
スミレちゃんが急にらしくないことを言ったので私は思わずほっぺたをつついた
A「何言ってるの、明日には明日のいいことがあるよ、きっとね」
スミレ「そうかな・・・?」
スミレちゃん、もしかしてちょっと元気ない?
ここは親友として私が助けてあげなきゃ
でもどうやって・・・、
A「大丈夫だって、いつでも私がついてるからさ・・・、それに色んな毎日があるからひとつひとつが大切なんだよ」
スミレ「うん・・・、」
ちょっとは元気になったかな?
私はスミレちゃんの手に自分の手を重ねた
スミレちゃんの手はちょっと冷たくて、でも温かかった
しばらくして寮の前に着いた
私がスミレちゃんにおやすみを言おうとすると・・・、
スミレ「ちょっと待って」
A「なに?」
スミレちゃんはうつむいたまま、静かに言った
スミレ「私はやっぱり、こんな日がずっと続いたほうが幸せだと思うな」
A「もー、そんなこと言ったって明日は来ちゃうんだから・・・、ほら元気出しなよ?私はずっとスミレちゃんの味方だから」
スミレ「それって、明日が来ないならその方がいいってこと?」
えっ?どういう意味?
私が答えに詰まっていると、スミレちゃんはカバンから何かを取り出した
それは黒く塗られた鉄が月の光をギラギラと反射して・・・、
A「それって・・・?」
スミレ「やっぱりわからないよ・・・、だから、一緒に確かめてくれる?」
パン!
夢で聞いたのと同じ音がした
スミレちゃんの撃った銃が、私の胸に穴を空ける音・・・、
A「どうして・・・、」
わけもわからないまま、痛みよりも先に死の眠気が襲ってくる
最後に見たのは、スミレちゃんが自分のこめかみに銃を押し当てる姿だった
そして私は、あっけなく死んだ。
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きらるり(プロフ) - ゆゆゆさん» ゆゆゆさん!いつも嬉しいコメントをありがとうございます!!月の描き方はこだわりポイントなので気付いてくださって感激です(´▽`) ゆゆゆさんも熱中症に気を付けて頑張ってください☆ 読んでくださってありがとうございました!! (2018年8月18日 0時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - →気になりますがスミレちゃんが宵闇のコーデに操られているわけではなく自ら行動しているので主人公も受け入れたのかなと自分は思いました。近頃は暑い日が続きますがお身体に気をつけて頑張ってください。素敵な作品ありがとうございました。長文で申し訳ないです。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - とても面白かったです。特にエピローグでの「今夜は月が満ちているの」というスミレちゃんの言葉を読んだ時すごくドキドキしました。マガトのまじないが満月の日に完成すると本文中にあったので。エピローグでのふたりの儀式は夢なのか現実なのか→ (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - Twilight Win the Crownさん» ありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです (2016年1月25日 17時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
Twilight Win the Crown - すっごい面白かったです!! (2016年1月25日 15時) (レス) id: e0c7f304cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらるり | 作成日時:2015年12月8日 19時