第18話 願い ページ19
〜スミレの部屋〜
そうだ・・・、
思い出した、最初の一日を
私はあの古道具屋に入ったんだ
そしてスミレちゃんが、このマガトの鏡を手に入れて・・・、
スミレ「今宵はきっと満月なの」
スミレちゃんは夢見るような口調で言った
スミレ「今まで何度も怖い目に遭わせてごめんね。このことを秘密にするのも儀式のうちなの。Aちゃんの信頼を試すための・・・、でもAちゃんは最後まで私を信じてくれたよね」
A「私は・・・、」
スミレ「嬉しかった・・・、やっぱり私たち、一緒に幸せになる運命なんだよ」
スミレちゃんの笑顔はどこか暗くよどんでいて・・・、
違う、違うよこんなの・・・、
スミレ「このおまじないが完成すれば、私たちはこの楽しい一日を永遠に繰り返すことができるわ。一緒に何でもできるしどこへでも行ける。だって今日はオフの日だから」
A「もうやめて!」
私は思わず叫んだ
スミレちゃんは心底不思議そうな顔をした
A「スミレちゃんはそんなこと言わない!同じ一日の繰り返しなんて望んだりしない!」
スミレ「そう思うのは本当の私を知らないからよ。言ったでしょう、本当は私、悪い子なの」
A「違う!スミレちゃんは・・・!」
スミレちゃんの瞳の中に闇の光が渦巻いているのが見える
私が止めなきゃ・・・、でもどうやって?
私は部屋の中を注意深く見渡した
机の上には開いたままの鏡が私たちを映している
マガトの鏡・・・、
鏡に触れたとき、何かが頭の中に流れ込んできたって言ってた
きっとその何かが・・・、
A「あなたは本当のスミレちゃんじゃない!その鏡に操られてるんだ!」
私の指摘に、スミレちゃんは目を見開いた
いや、スミレちゃんじゃない、こいつは・・・、
スミレ「そうとも言えるけど正確じゃないわ。この宵闇のコーデ自身には意識も意思もないの、纏う者自身の心の底の願いに従わせることができるだけ」
宵闇のコーデ・・・、
このドレスが私たちの敵の正体!
A「スミレちゃんから出ていって!」
スミレ「あと少しなの、もう少しで願いは叶う・・・、」
スミレちゃんは手のひらを上に向けた
すると魔法陣のようなものが現れ青く輝きながら回転を始めて・・・、
スミレ「儀式の続きは月が満ちてから・・・ね♡」
次の瞬間、魔法陣が宙を舞って私の体を横なぎに突き抜けた
とてつもない衝撃が走る
私は何もできず気を失った
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きらるり(プロフ) - ゆゆゆさん» ゆゆゆさん!いつも嬉しいコメントをありがとうございます!!月の描き方はこだわりポイントなので気付いてくださって感激です(´▽`) ゆゆゆさんも熱中症に気を付けて頑張ってください☆ 読んでくださってありがとうございました!! (2018年8月18日 0時) (レス) id: cabc9f41a5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - →気になりますがスミレちゃんが宵闇のコーデに操られているわけではなく自ら行動しているので主人公も受け入れたのかなと自分は思いました。近頃は暑い日が続きますがお身体に気をつけて頑張ってください。素敵な作品ありがとうございました。長文で申し訳ないです。 (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
ゆゆゆ(プロフ) - とても面白かったです。特にエピローグでの「今夜は月が満ちているの」というスミレちゃんの言葉を読んだ時すごくドキドキしました。マガトのまじないが満月の日に完成すると本文中にあったので。エピローグでのふたりの儀式は夢なのか現実なのか→ (2018年8月17日 22時) (レス) id: 361e2104ee (このIDを非表示/違反報告)
きらるり(プロフ) - Twilight Win the Crownさん» ありがとうございます!読んでいただけて嬉しいです (2016年1月25日 17時) (レス) id: f49683637b (このIDを非表示/違反報告)
Twilight Win the Crown - すっごい面白かったです!! (2016年1月25日 15時) (レス) id: e0c7f304cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:きらるり | 作成日時:2015年12月8日 19時