頑張り屋の廉くん27

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紫耀side

先「しんどそうだね。ここに寝かせていいよ」


渡辺先生が廉を見た瞬間

そう言ってくれて

俺は先生の言葉に甘えて、診察室の隅にある

白いベットにそっと寝かせてあげる。


先「ごめんね〜」


先生は眠ってる廉に優しく声を掛けながら触診を始めた。


＊



＊



先「うん。見た感じ、ストレス性の胃腸炎だね」

「え、」

先「多分、この前○○先生が出してくれた薬も効果があって、治ってんだろうけど…その先生が廉くんにとってかなり大きなストレスになって…ストレス性胃腸炎になってしまったんだろうね」


先生の話で納得した。

この前の先生が出してくれたお薬も

一応という言い方は悪いけど


効果はあり、胃腸炎は完治。

でもその先生の事で

ストレスがかかり、まだ免疫や体力が落ちてた廉は

ストレス性の胃腸炎になってしまったんじゃないかって。


先「○○先生、採血した？」

「はい。診察の後すぐに…」

先「それも関係してるんじゃないかな」


先生のその言葉に

玄樹と2人「え？」と声が自然と重なる。


先「廉くん病院が苦手で、特に採血が苦手ですよね？」

「はい」

先「確かに病気を正確に判断するためには、採血は必要です。でも患者さんの負担になるなら僕はやらなくてもいいんじゃないかなと思ってます」


それは、先生の医者としての優しさだった。


先「だからっていう訳じゃないですけど、なるべく病院が苦手な患者さんには触診や聴診をなるべくするようにしてるんです」

「そう、だったんですね、」

先「はい」


だから先生は毎回

胃腸炎や何か他の病気で来院した時

始めに触診をしてくださるんだと初めて分かった。



＊



＊



それから何も食べれてない。

と先生に伝えると栄養剤の点滴を投与してくれることに。


先「点滴に吐き気止めも入れておきますね」

「ありがとうございます」


ホント、渡辺先生には頭が上がらない。

優しい先生だなぁと廉にすごく寄り添ってくれて


患者さん第一な先生だなと

会った時から思ってたし、感じていたけど

やっぱり本当に優しい先生なんだなと今の話を聞いて更に確信した。



＊



＊


先「別室、用意してきましたので」

「ありがとうございます」


廉を抱き上げて、先生が点滴スタンドを

カラカラ通してくれて廉が点滴が終わるまで

身体を休める部屋に案内してくれた。



＊


先「点滴が終わったら、ボタンを押してください」


そう言って先生は部屋を出て行った。

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