マネージャーの、山田です。

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裕翔side



涼「……お、はよ」

裕「…………うん」

あぁ、もう、俺のバカ。
なんでおはようって返さないんだよ。ヤマしょんぼりしてんじゃんか。


……秀くんと話した、翌日。

秀くんが言っていた通り、迎えはヤマが来てくれて。

家では、よしっ！と気合いを入れた俺。

……にも関わらず。

俺が乗り込んだ車の中は、とてつもなく居心地の悪い気まずさがあって。

時間が経つにつれ、謝りづらくなっていく。

……ええい、もう勢いだ！！

ちょうど赤信号で車が止まったとき……俺は、口を開いた。

裕「…ヤマ」

情けなくも、声が少し震える。

裕「…………昨日は、ごめん」

涼「っ…」

ピクッと、ヤマのからだが揺れた。
もうひとつ言いたいことを頭に浮かべて、また口を動かす俺。


裕「それと………いつも、ありがと…」

涼「えっ……」

………言えた。

振り返るヤマ、そして青に変わる信号。

恥ずかしくなって、ほら、と前を見るように促せば、ヤマは慌ててアクセルを踏んで。

裕「…ほんとに、感謝してる……昨日はちょっと言い過ぎた、っていうか………あんなの、嘘だから」

涼「…ほんと…？」

裕「うん」

そっかぁ………と呟くヤマは、心なしか少しだけ声音が明るくて。

その声に、ホッとした。

良かった………

涼「……俺も、ごめん。…もう何もしないなんて言っちゃって」

裕「…ううん、俺が先にキレたんだし」

お互いがホッとして安堵して、車内の空気もふっと緩んで。

会話という会話は相変わらずないけど、さっきの気まずさは消えた。

無意識にニヤニヤしてしまう口元を、台本でスッと隠す。

涼「………あ、はいこれ」

片手でハンドルを握りながら、ヤマは助手席に置いてあったビニール袋を俺の方に投げた。

がさごそと漁ってみれば……中に入っているのは、やっぱりエナジーゼリーで。

裕「…………ありがと、助かる」

そう言えば、ヤマは嬉しそうに笑った。



この後、なかなか良い演技ができずに悩んでいた役も、なんとか果たすことができて……無事にクランクアップを迎えた俺。


雰囲気を悪くしちゃってたことも皆にしっかり謝って、一件落着。

メンバーの皆、秀くん、そしてヤマ………本当に、ありがとう…！

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