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裕翔side
秀「山田と喧嘩したって?」
裕「………うるさい」
秀「おぉ、相変わらず気ぃ張ってるね」
裕「…………」
秀「山田との喧嘩もそれが原因?」
裕「っ…!」
……次の仕事に向かう、車の中。
朝ヤマが座っていた運転席に座る秀くんが、信号待ちで振り返ってそう言った。
痛いところを突かれ、思わず押し黙る俺。
秀「…明日の朝は山田に迎え来させるからさ。そんときなんとかしろよ」
裕「え……明日秀くん迎えじゃないの?」
秀「バカ。時間経つほど素直になれなくなるぞ。悪いと思ったらすぐ謝るに限る」
俺たちより、少し歳上の秀くん。
だからか、その安心感に頼ってしまうことが多いし………こうやって、兄貴みたいに背中を押してくれることもしばしば。
秀くんがいなかったら、JUMPは今までやってこれなかったかもしれない。
秀くんは、いつも正しい。
………だけど…明日は、急すぎない…?
秀「…不満そうだな」
裕「当たり前でしょ。第一、ヤマが迎えに来てくれるか……」
……そうだ。
そもそも明日、いくら秀くんに言われたからって、素直に迎えに来てくれるんだろうか?
“…………分かった………もう、何もしないっ…”
そこまで宣言した、ヤマが。
俺のために、車を出してくれるかな………
秀「それは大丈夫………多分」
裕「……なんで?」
秀「圭人が説得してくれてる」
今頃、多分どっかのカフェにいるよ。
そう言った秀くんは、青に変わった信号に反応して、ゆっくりとアクセルを踏んだ。
秀「もし拒否されたら、俺が叱っとくわ。マネージャーの仕事を放棄するのかーって」
裕「………でも今回は俺が悪い」
秀「……そう思ってるなら尚更、明日謝りな。山田、あからさまに落ち込んでたから。………ついたよ」
秀くんと話していれば、あっという間に撮影現場についていて。
慌ててシートベルトを外して、車から降りた。
裕「行ってくる」
秀「あっ、裕翔!ほーれ!」
裕「っ、なに…!?」
車のドアを閉めようと手をかけた途端、秀くんが何かを投げてきて。
慌ててそれを受けとって、手元を見た。
………エナジーゼリー…
秀「山田からだ」
裕「……」
秀「じゃ、撮影頑張れよ。また迎えに来る」
秀くんの言葉に返事をすることも忘れて、少しぬるくなったゼリーを見つめる。
ドアはゆっくりと自動で閉まって、車は去っていった。
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楠木りずむ(プロフ) - R.Y.⇔A.M.さん» Twitterの方まで読んでくれてありがとうございます……♪長々とむしろ嬉しいです!!感謝しかないです!!( ;∀;)これからも楽しませられるように頑張りますのでよろしくお願いします…! (2019年7月14日 19時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
R.Y.⇔A.M.(プロフ) - 楠木りずむさん» Twitterのみっちーとのお話もなんかほんとにあったら(ほっこりできないですけど笑)あんな感じだろうなぁって微笑ましかったです裕翔くんsideで終わるのも(*´∇`*)長々とすみませんとにかくいつも楽しませて頂いてます!! (2019年7月13日 21時) (レス) id: 4fb7d0def9 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - R.Y.⇔A.M.さん» 嬉しいです!!そうなんです、ハッピーエンド主義者です笑 これからも病系色々入れていきたいと思ってるので、楽しんでくれると嬉しいです!(*´ω`*)コメントありがとうございます! (2019年7月12日 9時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
R.Y.⇔A.M.(プロフ) - ついにぶつかったゆとやま…止めようとする圭人がもう…!りずむさんの最後は仲が深まるあたたかいお話、フィクションでもとりあえず元気でいて欲しいけどフィクションの病系に萌える私はいつも更新楽しみにしてます!!お忙しいとは思いますが更新頑張って下さい!! (2019年7月12日 0時) (レス) id: 4fb7d0def9 (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - JUMPLOVEさん» ゆうかさん!コメントありがとうございます!嬉しいです(*´ω`*)質問箱、通知は見ました!まだ開いてないけど!(遅)あとでお返事させていただきます♪頑張ります〜! (2019年7月4日 19時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
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