マネージャーの、山田です。

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涼介side



涼「……すっげ」

秀「すごいよなぁ」

楽屋での様子やリハーサルなどは、あっという間に過ぎていき。

本番1時間前……皆が準備を始めるなか、俺と秀さんは2階の窓から、外を見ていた。

どこに見ても、女の子達の声。

写真撮ったり、グッズを見てたり、誰かとキャッキャ言ってたり。

色とりどりの女の子達が目一杯のお洒落をして、ここに集まってきてるのが分かる。

秀「お前平気なの？女子」

涼「この距離なら、なんとか」

秀「そ」

………にしても、凄いなぁ。

いつもは普通の男の子なのに、やっぱりアイドルなんだな。

彼らはやっぱり………特別なものを、持ってるんだな。

彼らの中に輝く、何かを………

涼「………良かった」

秀「ん？」

涼「……………あの世界から抜け出して、良かったなって。やっぱり俺がいるべき場所は、あっちじゃないから」

秀「………」

涼「……本当は、ここでもないのかもしれないですけど」

はははっと出た笑いは、我ながら弱々しかった。

今言葉にして、少し実感したんだ。

………この世界は、俺には眩しすぎる。

秀「…辞めるなんて言うなよな」

涼「……」

秀「ただでさえ人足りてないんだから」

秀さんは、俺の言葉を待たないで、そのままどこかに歩いていく。

その足音が遠ざかると同時に……俺の顔から、笑顔が消えた。

…この仕事は、すごく楽しい。

やりがいもあるし、他にはない貴重な経験をさせてもらってるって思う。

一生この仕事をしてても俺はいいと思うくらい。

…………だけど。

その分、俺は………後ろめたさを感じてしまうんだ。

侑「涼介ー、ちょっときてー！」

涼「あ、はいはーい」

仕事、行かなくちゃ。

ペチンと頬を叩いて、急いで楽屋に戻った。

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