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〜8〜 ページ10

Aside


涼「…チッ…いきなりいってぇな」

ガラリと顔つきを変えた涼介は、さっきの涼介からは想像できないほど低い声で、口調も乱暴になっていた。

貴「…り、涼介…?」

涼「はぁ?ちげぇし」

…はぁ?はこっちの台詞なんだけど??

侑李はあちゃー、と額を手で押さえた。

さっき侑李は涼雅って言ってたけど…

貴「…侑李…どういうこと…?」

侑「…とりあえずピン、預かっていい?そしたら話すから」

う、うん、と私は侑李に涼介のピンを渡した。

侑「涼雅、ピン」

涼「いらねー」

侑「いいからつけて」

涼「無理」

侑「…せめて分け目だけでも」

涼「しつこい」

侑李が攻める。
涼介が避ける。

この繰り返しを何回かしていたら、いつのまにか追いかけっこになっていた。

貴「ちょっ、まっ!」

慌てて私は追いかける。

走るのは苦手じゃないけど、二人とも超速い。

いつの間にか授業開始のチャイムがなっていたけど、そんなのどうでもいい。

これは山田涼介のことが聞けるチャンスでもあるし。

階段をかけ上り、屋上についた。

重い扉を開けた途端に、涼介は息が上がったまま、倒れるように座る。

侑李と私もそれに続いた。

涼侑貴「ハァ…ハァ…」

私達の荒い息が屋上に響く。

涼「ったく…どこまで…ついて…くるんだよっ」

侑「つか…れた…」

貴「酸素…酸素を私にぃ…」

ようやく息が整い、私は侑李に聞く。

貴「ねぇ…転校初日からおかしいと思ってたんだけど。この人は何なの?」

この人、と言ったところで涼介を指差す。

涼「お前、誰」

またまた変なことを言い出す涼介。

転校初日、教室で涼介に会ったときも、確か涼介は私のことを覚えてなかったな…

侑「あー、まず涼雅。涼雅はこの子…加藤Aちゃんと初めてあったわけじゃないよ。どういうことか分かるよね?」

涼「…涼介と知り合い?」

侑「うん。まぁ、一番始めに会ったのは多分涼也だけど」

涼「…ふーん」

涼雅、と呼ばれた涼介は興味無さげに返事をした。

話が全く読めないんだけど。

侑「…Aちゃん、これから言うこと、信じられないかもしれないけど、本当のことだからね」

いつにもまして真剣な表情の侑李に少し戸惑いながらも、私は頷く。

侑「実はね…涼介…」




「多重人格…なんだ」



貴「は…?」

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楠木りずむ(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます!テストはもう忘れてしまいましょうー!!笑 (2016年6月1日 22時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 楠木りずむさん» いえいえ!いつも更新楽しみに待ってます!テストの結果がどうなるか・・・緊張しますね (2016年6月1日 22時) (レス) id: 2a004216ef (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - ゆんさん» 初テストですか!!それはそれは…私はいつもテストよりテスト返しが緊張します笑 変なところで切ってしまってすみません(^_^;)お話を考える時間がなくてですね…明日また更新しますので…!( ̄ω ̄;) (2016年6月1日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 私の学校はテスト終わりました!初テストだったので凄く緊張・・・。てか、こんなところで切られたらめっちゃ続き気になっちゃいます笑 (2016年6月1日 21時) (レス) id: 2a004216ef (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 向日葵(*‘∀‘)さん» ありがとうございます!実は木曜日からテスト始まってるんです汗 お互い頑張りましょう(^_^;) (2016年5月22日 20時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:楠木りずむ | 作成日時:2016年5月4日 8時

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