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侑李side
あのあと、お母さんと涼介と病院に行った。
涼介はあれから、乱暴だったけどたまにフラフラしてて、顔も白かった。
そして、診察から帰ってきたときの涼介はいつもの涼介に戻っていた…
先『恐らく…心的外傷からくる、解離性同一性障害でしょう』
侑母『解離性同一性障害…?』
先『要するに、多重人格です』
そう診断された涼介は、驚いて言葉も出ないようだった。
それは僕らも同じで、開いた口が塞がらない。
先『そして…人格の切り替えになっているのは、その髪型だと思われます』
そう言われると涼介は、ハッとしたように左側のピンに触れる。
そういえば…さっきの乱暴な涼介のときには、ピンはついてなかったし、分け目も今とは反対だった…
先『それから…涼介くん、どうやって病院にきたか分かる?』
確かめるように聞いてきた先生に、涼介は俯きながら小さく首を横に振った。
えっ…
侑『覚えてないの…?』
涼『うん…』
驚く僕とお母さんを尻目に、先生はやっぱり…と小さく呟いた。
先『涼介くんは、涼也くんや涼雅くんの人格になったときの記憶はないのだと思われます…それは涼也くんや涼雅くんも同じで…つまり、人格と共に記憶も入れ替わっているということです』
侑母『記憶が…』
先『まぁ、解離性同一性障害を起こす前の出来事や、人間関係は覚えてますが』
涼也や涼雅になったときに僕らのことを覚えていたのは、そういうことなのかな…
先『あ…あと、貧血気味だったので点滴を打ちました。人格が変わるときに多量のヘモグロビンを消費する特異体質と思われます、恐らく、涼介くんは不安でいっぱいです。心のケアをしてあげてください。涼介くんも、辛いときは辛いってちゃんと言うんだよ?』
涼『あ…はい』
侑母『ありがとうございました』
小3の僕らにはいろいろありすぎて…いや、お母さんでさえ、整理するのには時間がかかっていた。
でも、僕らが支えなきゃ行けないって言うのは分かった。
涼介side
説明を聞いてビックリした。
多重人格なんて、テレビの中だけだと思っていたから。
いざ自分がなると、怖くて、不安で…
母さんがあんなことしなければ…と、母さんに対して恐怖と憎しみが湧いていた。
そんな俺を支えてくれたのは、侑李とそのお母さん。
二人にはそのときから今まで、本当にずっとお世話になった。
今では感謝しかないよ…
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楠木りずむ(プロフ) - ゆんさん» ありがとうございます!テストはもう忘れてしまいましょうー!!笑 (2016年6月1日 22時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 楠木りずむさん» いえいえ!いつも更新楽しみに待ってます!テストの結果がどうなるか・・・緊張しますね (2016年6月1日 22時) (レス) id: 2a004216ef (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - ゆんさん» 初テストですか!!それはそれは…私はいつもテストよりテスト返しが緊張します笑 変なところで切ってしまってすみません(^_^;)お話を考える時間がなくてですね…明日また更新しますので…!( ̄ω ̄;) (2016年6月1日 21時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
ゆん(プロフ) - 私の学校はテスト終わりました!初テストだったので凄く緊張・・・。てか、こんなところで切られたらめっちゃ続き気になっちゃいます笑 (2016年6月1日 21時) (レス) id: 2a004216ef (このIDを非表示/違反報告)
楠木りずむ(プロフ) - 向日葵(*‘∀‘)さん» ありがとうございます!実は木曜日からテスト始まってるんです汗 お互い頑張りましょう(^_^;) (2016年5月22日 20時) (レス) id: 9a431af939 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:楠木りずむ | 作成日時:2016年5月4日 8時