おかしな死神 ページ49
｢ゾムが人間になってる…！｣
｢俺な、あの後処罰されてん｣
｢処罰！？…もしかして私を助けたから…！！｣
｢せや。でもな、ええねん！それが俺の狙いやってん｣
｢狙いって、｣
｢規則を破った死神は、追放される。人間にされて現世で生きることを強いられてまうねん。俺は、それがしたかった。｣
｢あ、なるほどー｣
頭いいね！なんて、ゾムに笑いかけたら口を尖らせて拗ねだした。
なにこの顔かわいい。
でもなんで拗ねてるんだろう？
｢Aに一目惚れして、Aと生きたくて頑張ったのに、Aの反応が薄すぎる…！｣
泣くふりをしながらぐりぐりと肩に額を押し付けられてしまった。かわいい。
｢だ、だってそんな素振り見せなかったじゃない…！最後の最後までホントに心無いと思ってたし、まして最初から好かれてたなんて思いもよらなかったよ｣
｢最後まで気ィ抜きたくなかったんや、人間になれるまで下手な真似出来へんかってん！…でも今ならええやんな！｣
そんなゾムに、息も苦しいくらい更にきつく抱きしめられた。
｢ちょ、落ち着いて！｣
でも…
そっかぁ…
ゾム人間になったんだ……。
｢…………。｣
｢A？｣
私は、ゾムに負けじと強く強く抱きしめ返した。
｢嬉しい…！｣
私の目からは、涙がボロボロと溢れ出していた。
｢もう一度会いたかったの！お礼もしたかった！まさかこんな再会の仕方があるなんて…！嬉しい！ゾムがここにいる〜！！｣
今度は、私の方からゾムの胸に頭をぐりぐり押し付け、興奮した私は尚も続ける。
｢きっとこっちが本当の運命なんだよ！だって私、最初からゾムが見えてンッ…｣
ゾムにキスされてると気づくのに時間は、かからなかった。咄嗟に離れようとしたら逃がさないとばかりに腰に腕が巻き付き、頭の後ろを手で引き寄せられて動けなくなってしまう。
｢…ッ、ん、んんん…！っふぁ…息が！｣
｢鼻で息しぃよA｣
僅かに唇が触れる距離でゾムがそう言った。
ゾムが声を発する度、唇に熱い吐息がかかる。
｢待っ｣
再び口を塞がれゾムの舌は、しつこく私のそれを追い回し逃げても逃げても絡め取られる。
いや距離の詰め方絶対におかしい…！
この人間初心者め！
しかし
嫌な気がまったくしないので私の負けなのである。
ーENDー
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あいまいアイン(プロフ) - 久々に読み返しにきました！何度見てもニヤニヤが止まりません... (4月9日 11時) (
レス) id: cc2cd4c541 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - チェリーさん» (ゆ、遺言…だと！？) ありがとうございます！嬉しくて溶けます…！あとお返事遅れて申し訳ない…！！(土下座) (2020年8月30日 18時) (レス) id: 65cc5437ad (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - 最高でした(遺言) 可愛さで語彙力溶けましたわ… (2020年3月4日 11時) (レス) id: 8ac09bc0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - mo4さん» う、うれしい…！！ (2019年9月22日 20時) (レス) id: 62bd964a7d (このIDを非表示/違反報告)
mo4 - か、かわいいかよ… (2019年9月21日 19時) (レス) id: c8f50611df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこ丸 | 作成日時：2019年5月2日 12時
