おかしな死神 ページ45
｢あ、チッス！死神のゾムや、よろしく｣
そうゾムが挨拶してきたのは、今日から丁度1週間前。
仕事を終えて家に帰ったときに部屋の中に立っていたのがゾム。とんだホラーだった。
ゾム曰く、目が合ったから見えてると確信してそのとき私に挨拶したんだとか。
｢誰！？｣
｢だから死神やって｣
｢どうやって中に入ったの！｣
｢えー？普通に。壁すり抜けて｣
この不審者は、あくまで死神という設定を貫くつもりかと内心呆れもした。どうやって締め切った部屋に入ったのかは、ひとまず置いとくとしてあまりに鮮明に見えてるもんだから生身の人間だとしか思えなかったのだ。
とにかく急いで外に出て全力でドアを閉めた。
｢いや、中入れや｣
｢うひゃあ！！！｣
｢色気ないな〜〜！その悲鳴｣
閉じ込めてたはずのゾムという名の不審者が私の真隣にいた。
｢な、ななななななんで！！！｣
｢だから言うてるやん、俺死神やって｣
｢そんなの信じられるわけないでしょ！？｣
｢喚き散らすのもええけど、近所迷惑ちゃうか？｣
｢うっ…｣
自分のこと死神とか言っちゃってるおかしな奴に注意受ける私っていったい…。
｢とりあえず中入ろうぜ！｣
｢……。｣
私は、無言でドアに滑り込むようにして自分だけ中に入ると再び鍵を閉めた。
｢あー！酷い！｣
外からゾムの声がして、ほっと息を吐いて胸を撫で下ろした。
しかしゾムは、そのとき既に私の背後に立っていて、｢卑怯なことするやん｣なんて声がやたらとクリアに聞こえてきた。
｢ギャーー！なんでまた中にいるの！｣
｢信じる気になった？｣
｢違う、私は、疲れてるんだ。そう。これは、夢だ｣
｢Aお前大丈夫か？｣
｢うわ頭のイカれたやつに心配された｣
｢あ？誰がイカれてるって？｣
｢ごめんなさい｣
ゾムは、｢こっちのが手っ取り早いか｣などと独り言を言って私の腹に自分の手を突っ込んできた。
｢ほら、すり抜けとるやろ｣
お腹に腕が貫通してるのに痛みどころか感覚すら感じなかった。ゾムの言う通りすり抜けていた。
それが決め手となり口を閉ざした私に｢観念したんや｣とゾムは、意地悪く笑ったのだった。
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あいまいアイン(プロフ) - 久々に読み返しにきました！何度見てもニヤニヤが止まりません... (4月9日 11時) (
レス) id: cc2cd4c541 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - チェリーさん» (ゆ、遺言…だと！？) ありがとうございます！嬉しくて溶けます…！あとお返事遅れて申し訳ない…！！(土下座) (2020年8月30日 18時) (レス) id: 65cc5437ad (このIDを非表示/違反報告)
チェリー - 最高でした(遺言) 可愛さで語彙力溶けましたわ… (2020年3月4日 11時) (レス) id: 8ac09bc0e3 (このIDを非表示/違反報告)
ねこ丸(プロフ) - mo4さん» う、うれしい…！！ (2019年9月22日 20時) (レス) id: 62bd964a7d (このIDを非表示/違反報告)
mo4 - か、かわいいかよ… (2019年9月21日 19時) (レス) id: c8f50611df (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ねこ丸 | 作成日時：2019年5月2日 12時
