＊ヒガンバナ ページ35
コネシマの言葉にAは黙っていられなかった。
「…貴方は恋する気持ちを制限できると本気で思っているの？」
「当たり前や。人間なんやから誰しろ理性を持っとるやろ。」
「理性で収めることが出来ないのが恋なのよ！この分からず屋や！」
「なんやと！頭ん中空想で出来とるんか！」
やいやい言い合いをする二人を見ていた鬱は「Aが…ゾムに告白…！？」と未だショックを受けていた。どうしようもない三人を何とか宥めたのはシャオロンで、二人の間の仲介役と落ち込む鬱を励まし続けた。三人が落ち着き始めた頃には彼は疲弊しており、ソファにだらりと寄りかかる。
コネシマとAも互いに言いたいことを言い切ったからか肌は艶々としていた。
「そういう考えだったのね。やっと理解できたわ。」
「俺も一方的に言ってもうてすまんかったな。」
何なら謎の友情が芽生えてしまっていた。
「でもほんまに恋は盲目って言うように、あんなもん弱点を増やすだけや」
「弱点…って何で決めつけるわけ？」
「昔──貴族やのに一般人…いや、それ以下やな。貧困街に住む奴に恋した奴がおった。」
コネシマの言葉を自然と傾聴する。
「貧困街の住民の暮らしは毎日生きていくだけで必死なんや。貴族達の操り人形ってやつやな…。だから貴族が恋をして、その想いが通じあっとるって思ってもそれは金目当てやったりするんやで」
「裏切りってこと？」
「ハナから騙し取ったなら裏切りにすらならへんやろ」
「それって相手を見る目がなかっただけじゃない」
「でも恋は制御できんやろ？お前の理論で行くと恋した相手がどんな奴でも好きで居続けるってことやんか。もし、ゾムが極悪人やったとして…お前を裏切る気やったらどないするん？」
「そ、それは…」
Aは静かに考える。自身の見る目には自信があるが仮定の話となるとまた違ってくるのだ。
「それにな、もし裏切りとかやなくて純粋に恋愛したとしても…深く愛した相手が死んだら、どうするん？……ただ、弱くなるだけやろ？」
──ねえ、ゾム……あ、貴方が何でそこにいるの…？なんで！！
映像がフラッシュバックする。燃える屋敷を前に偶然にも彼の名前を呼びながら泣き続ける自分がいた。
ふらついたAを支えたのは鬱で、
「シッマ。心配してくれてありがとな。でもAもゾムも子供やないんやで。お前が口出す問題ちゃう」
やっと会えたんやから──と柔らかい声で言った。
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鳩山(プロフ) - ろわ。さん» コメントありがとうございます…！拙い文章でしたが楽しんでもらえたなら幸いです。嬉しいお言葉本当にありがとうございます…！ (2019年11月27日 21時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ろわ。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後の結婚式のシーンでは私までut先生みたいになりました...。とても素敵な作品をありがとうございました。 (2019年11月22日 2時) (レス) id: a9da82584b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ロアさん» ロアさん！コメントありがとうございます！労いのお言葉まで…！最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 13時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 完結おめでとうございます！！( ；∀；)お疲れさまでした (2019年11月21日 8時) (レス) id: 148e7f1d83 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ウルさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉、そして完結まで読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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