＊クルクマ ページ14
まずはこの戦場と化した場所から安全なところへ、と貴族のどれい達を先導する。時に自身が盾となり剣となり幼い彼らを連れて逃げる。
バァン
「っ！！」
先導していたAが突然崩れ落ちる。
「だ、大丈夫ですか？」
すぐ後ろにいた少女がAの肩を支える。Aの腹部からは大量の血が噴き出し純白だったドレスが赤に染まっていく。
「ち、血が…！」
「…落ち着いて。革命に、血が流れない時なんてないの……っ。今は自分が助かることを考えなさい」
自身が撃たれた場面でも気丈に振る舞う姿に少女は思わず息を飲んだ。革命による流れ弾が当たったかと思われたが目の前に男が立ち塞がっていることから家畜達は違うと理解する。
「ﾊｧ…ﾊｧ…き、君が悪いんだぞ。…僕を、王族である僕を！貴族の分際で！馬鹿にするお前が！！」
肩で荒い息をするのはβ国の次期王になるはずだった男。
「人を見た目でしか判断せず…権力にもの言わせる愚かな人」
痛みを堪えて立ち上がり今後こそ男に向かって決別の言葉を向ける。男の顔は真っ赤に染まった。
「おい、そこの家畜！その女を撃て！！逆らえばどうなるか分かるだろ！！」
ちょうどAの落とした拳銃が少女の足元に落ちていた。少女は、震える。今までの仕打ちが蘇る。逆らえば…殺される。恐怖で支配された身体は逆らうことを許してはくれなかった。ガタガタと震える手で、拳銃を握りしめAへと向けた。
「(私の結婚式を壊してくれと頼んだとは言え、こんな呆気なく死ぬなんて…私の護衛まで頼んでおくべきだった)」
最後に、少女が後悔せぬようAは目を瞑り口元を緩めた。
「あなたは悪くない。悪いのはこの腐った世の中よ」
少女が悲痛に顔をしかめる。しっかりと握った拳銃の引き金が、下された。
キィンｰｰｰｰｰ
金属音がぶつかる音と共に、Aは浮遊感に襲われる。
「っ…セーフやな。無事か！」
「な、なんで…あなたが…」
「守るって約束したもんな。それにアンタ…カッコ良かったで」
Aを間一髪のところで救ったのは、エメラルドの瞳を持った男だった。深い緑のパーカーのフードで顔は隠れているがしっかりと瞳は見える。彼はそのまま少女を睨みつける。
「お前が恐怖を感じるのも分かるけどな、敵か味方かはしっかり区別しろ。敵を見誤るな」
そして彼は静かにAを地面に下ろすと、ロアの前に立つ。
「俺はこの国を許さへん。」
そう言ってロアを渾身の力で殴った。
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鳩山(プロフ) - ろわ。さん» コメントありがとうございます…！拙い文章でしたが楽しんでもらえたなら幸いです。嬉しいお言葉本当にありがとうございます…！ (2019年11月27日 21時) (
レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ろわ。(プロフ) - 完結おめでとうございます。最後の結婚式のシーンでは私までut先生みたいになりました...。とても素敵な作品をありがとうございました。 (2019年11月22日 2時) (レス) id: a9da82584b (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ロアさん» ロアさん！コメントありがとうございます！労いのお言葉まで…！最後まで読んでくださって本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 13時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
ロア(プロフ) - 完結おめでとうございます！！( ；∀；)お疲れさまでした (2019年11月21日 8時) (レス) id: 148e7f1d83 (このIDを非表示/違反報告)
鳩山(プロフ) - ウルさん» コメントありがとうございます！とても嬉しいお言葉、そして完結まで読んでいただき本当にありがとうございました！ (2019年11月21日 6時) (レス) id: 55161d9c8c (このIDを非表示/違反報告)
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