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「あれ？Aと……シゲ？」
加藤くんのクラスの教室は私とけいちゃんのクラスよりも奥にあるから必然的に加藤くんが教室まで送ってくれるような形になる。
ありがとね、とお礼を言って教室に入ろうとしたらたまたま委員会とお昼ご飯を終えたであろうけいちゃんと遭遇した。
「お、小山じゃん」
「けいちゃん」
「この組み合わせ珍しいね？2人でご飯食べてたの？」
「だって小山さん何も言わないから」
「あぁ！そっか。ごめん、シゲ笑」
「けいちゃん絶対思ってなそう笑」
「思ってるから！笑」
思ってた以上に普通にけいちゃんと会話をできてる自分がいてなんだか安心する。
加藤くんもそのことを思ったのか私の方を見て少しだけ微笑んで見せた。
「じゃあ俺戻るわ」
「うん」
「A、今日はありがと」
「こちらこそありがとう」
けいちゃんと2人で加藤くんの後ろ姿を見送ってるとけいちゃんに「2人ってあんなに仲良かったっけ？」と言われた。
「うーん…。さっき仲良くなったって感じかなぁ」
「あのシゲと？すごいね、A」
なんとなく、お互いが想いあってる恋人ではないからか加藤くんと付き合うってことは言えないくて誤魔化してけいちゃんに伝える。
ごめんね、けいちゃん。
授業開始5分前の予鈴がなる直前、ふと携帯を見たら2件のLINEが入ってた。
1件は加藤くんから『よろしく』っていうちょっと変なスタンプ。
もう1件は愛菜から『今日一緒に帰れる？』っていう内容。
忘れない内に愛菜に『大丈夫！ST終わったら下駄箱で待ってる』と返信をする。
きっと、けいちゃんと付き合うことを報告されるんだろうなぁ。
そう思うと少し苦しかったけど、苦しくなったらまた、加藤くんに話そう。
けいちゃんの名前を出しちゃうけど、もしそれでもいいって加藤くんが言ってくれたら。
そう決心したと同時に先生が教室に入ってきて授業が始まる。
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「A！」
「愛菜。待った？」
「全っ然。なんならさっき来たし笑」
愛菜はものすごく明るくて活発な子。
女子の私から見て、愛菜がものすごくかっこよく見えるから、きっと男子からみたらもっとかっこよく、魅力的に見えるんだと思う。
……いや、思うじゃなくて魅力的に見えてるはずだ。
あんなにキラキラしてる愛菜が、魅力的に見えないはずがないから。
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作者名：にゅすの さくら | 作成日時：2022年7月11日 12時
