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「加藤くん、今日はほんとにありがとう」
「こちらこそ。俺に付き合わせちゃってごめんね」
「ううん、楽しかったよ」
「それならよかった」
夕方になって、いつもの最寄り駅につく。
時間的にはいつも学校から帰るのと同じくらいの時間。
日が沈みだしていて空は綺麗なオレンジ色に染まっていて、その景色もまた写真に収めたりした。
学校の時と同じように、ホームを出てそれぞれ反対の道を歩き出す。
鞄から携帯を出したら、電車に乗ってた時にお母さんから着信が来てたのに気づいた。
なんだろう？と思って折り返す。
「もしもし？お母さん？」
「A、今どこにいる？」
「今最寄り着いて家に向かってるよ」
「ちょっとおつかい頼みたいんだけど、」
頼まれたものが駅近くのスーパーにしかないもので、わざわざ戻るのかぁと思ったけど、お母さんは夜勤でもうすぐ仕事行くみたいだし諦めてつま先を元来た方へ戻す。
五分くらい歩いたらスーパーについたから、お母さんが送ってくれてたリストを見ながらスーパーの中を歩く。
いつもは使わないスーパーだから何がどこにあるか分からなくてカゴを持ちながらうろうろする。
「…あれ、A？」
「えっ？」
とりあえず見つけたものだけカゴに入れて歩いてたら後ろからAを呼ばれる。
後ろをむくとそこには同じようにカゴを持っている加藤くんがいたからびっくりする。
「どうしてここに？」
「お母さんにおつかい頼まれて」
「なるほどね」
「加藤くんは？」
「俺は今日両親いないから夕飯の買い出し」
話しながら歩いているけど、わたしが携帯を見ながらキョロキョロしてるのに気づいたからか、「場所わかんないなら案内しようか？」と言ってくれた。
案内をお願いして、携帯を見せながらこれはあそこだと思う、あそこになかったらここかな、と言ってスーパーの中を2人で歩き回る。
10分もすれば探していたものも全部見つかってお会計も終える。
「ありがとう、案内してくれて」
「ううん、大丈夫。ついでだし」
スーパーの入口で今度こそまた明日、と言って分かれる。
なんだか、不思議な感じだな。
お母さんに『買い物終わったから急いで帰るね』とだけ連絡を入れて、少し早歩きで帰る。
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作者名：にゅすの さくら | 作成日時：2022年7月11日 12時
