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日本にいる時から毎年誕生日プレゼントはしっかりくれるお兄ちゃんだし、わたしもちゃんとプレゼントを渡す。
10歳も離れてるけどこの関係性なんかいいなぁって自分ながらに思う。
「お兄ちゃん今時間ある？」
『うん？あるよ？』
「ちょっとさ、わたしの…友達、のことで相談あってさ」
『それ相談相手俺でいいの？』
「お兄ちゃんしか最適解みつからなかったの！」
自分の話って言ってもよかったけど、けいちゃん以外の異性と出かける(しかもお兄ちゃんが知らない人)ってなったら、ちょっとすごい事になりそうなのが安易に想像ついたから定番の『友達の話』で誤魔化す。
お兄ちゃんは単純だからバレてない…はず笑。
「今度友達がさ、男の子と2人で出かけるみたいでね？」
『うん』
「いつも着る服は、なんていうのかな、可愛い系じゃないんだけど、調べてたら男の子と2人で出かける時は可愛い系の服の方がいいのかなぁって言ってて」
『…それって、相手の好みに合わせた方がいいかなーとか、相手ウケいいやつの方がいいかなーってこと？』
「たぶん、そういうこと」
『んー、少なくとも俺はその子が一番好きな服着てきてほしいけどね』
「自分が好きな服？」
『そう。その子が一番、輝ける服』
「一番輝ける…」
『まー、自分好みの服じゃないからって言って機嫌悪くなる男なんてこっちから願い下げだーってチーフも言ってたし？笑』
「なるほど…」
さすがプロの言うことは違うな、と思いながら手元にあったメモ帳に『・一番好きな服 ・一番輝ける服』って書いた。
お兄ちゃんとの電話終わったら、もう少しだけ服探してみよう。
国際電話だから通話料金も高いし、また誕生日プレゼント届いたら連絡するね、と最後に伝えて電話を切る。
もう1回クローゼットを開けて服を眺める。
普段よく着るのはオーバーめのパーカーだけど、きっちり目のTシャツ着て大きめのジップアップパーカー着て、下は……。
「…っよし！これで大丈夫かな」
一応着てみよう、と思って服を着てみて全身鏡の前に立つ。
…中々良いのでは。
自分ではそんなにしない自画自賛をしてから、まぁ時間も時間だし、と思って服を脱いでもう1回並べて思い出せるように写真を撮っておく。
……あれ、わたしこれ想像以上に楽しみにしてない？
なんてことに気づいたのは、加藤くんとの約束の前日の夜の話。
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作者名：にゅすの さくら | 作成日時：2022年7月11日 12時
