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『近々空いてる日ある？』
課題もないから家でぼーっとしてたら、急に加藤くんからこう連絡が来て驚く。
カレンダーアプリを開いて確認したら、テスト明けになれば予定がなかったから『テスト後なら空いてるよ』と返事を打つ。
すると加藤くんからは『なら、テスト終わってすぐの日曜日。大丈夫？』と来た。
大丈夫！とスタンプを返したらグッというリアクションが返ってきて会話は途切れる。
来週からテスト期間で、テスト終わってすぐの日曜ってことは2週間後くらいかな？
……2週間後？
テスト挟むなら思ってるよりすぐ来ない？と一度思うとやばいやばい、と焦り出す。
異性と2人で出かけることなんてお兄ちゃんとけいちゃん、あとほんとにたまにお父さんくらいしかないからこういう時どんな服装がいいのかとか何も分からない。
クローゼットを開けてみるけど、目の前に広がってる服はほとんどがお兄ちゃんからのお下がりだから、The・女の子みたいな服は持ってないに等しい。
これは…いいのか？
いいのかダメなのか分からないけどとりあえず『高校生 異性と出かける 服装』で検索をかけてみたら可愛い服の写真がたくさん出てきた。
こういう服の方がいいのかな？と思ったけど、何がいいのかが分からなくなってプチパニック。
どうしよう……と1人で頭を抱えていたら突然携帯が鳴り出す。
ディスプレイには『お兄ちゃん』という文字が出てる。
そうだ、お兄ちゃんに相談してみればいいかもしれない。
そうしようそうしよう、と心に決めて携帯を手に取って応答ボタンを押す。
「もしもーし」
『もしもし。聞こえてる？』
「うん、聞こえてるよ。そっちは今何時？」
『朝の7時過ぎかな』
「そんな朝早くから電話してくるなんて珍しいね」
『いや、Aに言い忘れてたことあったの思い出して』
「言い忘れたこと？」
わたしのお兄ちゃんはニューヨークでファッションデザイナーの仕事をしている。
ニューヨークに行ったのはかれこれ4年くらい前の話。
でも長期休みは絶対帰ってくるし、定期的に電話もくるからあんまり距離を感じたことはない。
『Aの誕生日プレゼント、この間発送したからそろそろ届くと思うよ』
「そっか、毎年わざわざありがとうね」
『俺がやりたいからいーの』
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作者名：にゅすの さくら | 作成日時：2022年7月11日 12時
