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side.Shigeaki
「えー、なんかシゲと二人で昼飯とか久々だね」
「それは最近小山さんが長谷川と飯食ってるからじゃないの?」
少しの皮肉を込めてそう言えば「たしかにそうかもね〜」と返事が来たから本人は自覚済。
今日は、Aが長谷川と2人でご飯を食べる日だと言っていたので、なら久々に小山さんと食べようかなと思って連絡してみた次第。
Aとのことも話してなかっただろうし、Aも長谷川にこのこと話すと言っていたし丁度いいなと思って。
適当に空き教室を探して入れば、クーラーが効いていて少し寒いくらいだった。
入口に近い側の席に座って弁当を開く。
最初のうちは他愛もない会話をしてたけど、そういえば本題話さなきゃと思って「そういえば、」と話しかける。
「俺、彼女できた」
「…………ん?なんて言った?」
「だから、彼女できたって」
「……シゲに?彼女?」
「反応ほんとひでぇな」
人見知りのシゲにどうやって彼女出来たの?とでも言いたいような反応。
相手がAだって言ったら、どんな反応するんだろうか。
「え、相手は?誰なの?俺知ってる?」
「小山さんも知ってる人」
「え〜…、俺も知っててシゲと付き合うくらい仲いい人〜?」
分かりやすく頭を抱えてうんうん唸る小山さん。ちょっとおもしろい。
しばらくその様子を眺めてたら、いきなり「あ!!分かった!!」と大きい声を出すから驚く。小山さんほんとそういうところ。
「A、でしょ?」
「随分時間かかりましたね」
「Aとシゲはちょっと予想外なのよ」
でも冷静に考えてみたら、俺ともシゲとも仲いい人って愛菜とAくらいしか思い当たらなくてね〜?と言うけど、俺自身は長谷川とそんなに仲いい感覚はない。
まあでも小山さんからしたら仲いい風に見えてるのかな、と思うのに留めておく。
「しっかしAとシゲねぇ?ほんと意外な組み合わせ」
「そう?」
「うん。2人で話してるとこあんま見たことない」
「それは多分小山さんが見てないだけ」
そんなことないと思うんだけどな?とか言うけど、小山さんが俺とAが話してるところをあんま見てないのは事実。
そこからどっちから告白したの?とか色々問い詰められてたら昼休憩の終わりを告げるチャイムが鳴って慌ててお互いの教室に戻った。
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作者名:にゅすの さくら | 作成日時:2022年7月11日 12時