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「じゃあ、また」
「うん。ありがとね」
加藤くんの教室の方が昇降口には近いから、先に加藤くんが教室に入る形になる。
ほんとに恋人同士みたいだな、と思いながらなんだかんだ加藤くんと2人でいる時間が増えてることに気づく。
一緒にいてもまったく苦にならなくて、むしろ時間が経つのが早すぎて驚くくらい。
そんな人と出会うのは、入学して愛菜に初めて会って以来だった。
『A〜』
『今日さ、屋上で昼ごはん食べない？慶も来るって』
小テストの勉強をしてたら愛菜からそんな連絡が入る。
『え？けいちゃんいるのに私いいの？』
『うん』
『慶も1人呼ぶらしいから』
『多分加藤だと思うけど笑』
『じゃあ、いこうかな』
『お！やったね』
『じゃあとりあえず私が2人の教室行くね〜』
『加藤のことは慶に聞いといて笑』
2人で登校中にそういう話をしてたのかな。
ならそろそろけいちゃんも教室にくるくらいの時間かな…と思ってたら教室の前の方のドアが開いて「おはよ〜」と言いながらけいちゃんが入ってくる。
自分の席に荷物を置いたと同時に数合わせで置いてある私の隣の席に座るけいちゃん。
足長すぎて足余らせてる。笑
「ね、愛菜から今日の昼のこと聞いた？」
「うん。聞いてる」
「シゲ誘いたいんだけど今日のお昼なんかあるとかって言ってた？」
「言ってなかったと思うけどなぁ…」
「じゃあ今LINEして聞いちゃお！」
そう言いながら携帯を操作しているけいちゃん。
すぐに返事が来たみたいで「いいって！じゃあ屋上集合だね〜」と話している。
話し方が女子のそれと同じなのがけいちゃんらしい。
「え、てかAなんの勉強してるの？」
「小テストだけど、、」
「……今日って小テストあるの？」
「2限の数1であるって言ってたよ」
「はぁ〜〜…、まじ？範囲教えてくんない？」
「笑笑 いいよ。えっとね、、」
今までとなにも変わらない会話。
けいちゃんに気づかれないように軽く深呼吸する。
息を吐き出した瞬間、「ここでいいの？」と言うけいちゃんと目が合う。
「うん。大丈夫なはず」
「この範囲ならいけるかな。A、ありがとね」
「どういたしまして」
そう言ってすぐに予鈴が鳴る。
予鈴が鳴り終わる頃には私の隣の席にはもうけいちゃんはいなかった。
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作者名：にゅすの さくら | 作成日時：2022年7月11日 12時
